一月は一年の始まりであり、正月と称します
これを祝うことから、「賀正」といわれています
そこで、謹んで新年を祝うことから、「謹賀新年」
また、正月のことを「春」ともいいます
恭(うやうや)しく新春を寿ぐことから、「恭賀新春」

これら、祝賀の行事は継続発展し
時代時代に大きな節目や戦国時代などの価値観の変化などがあり
少なからず転換期もありましたが
日本独自の文化として熟成し、19世紀まで伝えられてきました
しかし、明治維新と共に欧米文化が国策として導入され
一時的に大きな混乱期がありました
政情が安定すると共に、生活にも落ち着きを取り戻し
伝統文化として今に伝わっています


しかし、20世紀後半ごろから
一部の生活様式や道徳観・倫理観などが様変わりし
節会や節句など
古来の伝統文化が多くの人達の心から遊離し
21世紀の今はくだんの如しです

時代と共に、人々の求めるものは変わってまいります
(極論すれば、欲との二人連れ・・・・)
食生活が変わったからと
おせち料理が正月の膳や祝いの席から消えてしまい
部屋が小さいから雛飾りが出来なくなり
近所迷惑だからと鯉幟がたてられなくなり、などなど・・・・
ところが、キリスト教徒でもないのにクリスマスを祝ったり
バレンタインデーに一喜一憂
日本人て、なんとも不思議な民族です・・・・


でも、変わらないものの一つに健康に対する意識があります
年を重ねるごとに体調が気にかかり
健康で長生きしたいと思うのは誰しも同じこと
医学の進歩により医療による生存率が高まりました

古今東西、不老不死の妙薬があるならば
誰しもこれを求めるでしょう。人生50年も今は昔・・・・
平均寿命が80歳の今
遺伝子療法によりこれも夢ではないかも・・・・
(倫理観の議論が必要ですが)

秦の始皇帝が求めてやまなかった仙薬
それが不老仙、蓬莱山にあるという・・・・
私達が日頃歩いている山野
人それぞれに、山野に出かける目的は違えども
山野に出かけることによって
足腰が丈夫になり、精神的にも安定してきます
結果的に仙薬と同じ目的を達しているのでは・・・・
と感じています(過ぎたるは及ばざるですが・・)

野山歩き、すなわち健康の妙薬の一つ
「肉体は借り物」という考え方があります
「存在あるものはいつかは消滅する」というものです
されば、一日でも長く使えるよう身体の手入れをしていたわり
今年も元気に山野へでかけましょう・・・・

一年の計は元旦にあり
年の初めに思いを新たにすることは大切なことだと思います
701版:平成19年01月01日 月曜日
万歳不老仙
山行に見る ばんざ〜い
一緒にいってみたいなこんなとこ
みたいな
山葵の山行まっぷ
印の県に「目的地」があります
県名
今日のことば
長野
岐阜
滋賀
【 万歳不老仙(ばんざいふろうせん) 】
  万歳は長生きをすること
  不老仙は、中国の伝説上の山の名前
  蓬莱山には不老の仙人が住んでいるといわれ
  不老長寿を願う目出度い句です

『蓬莱不老仙(ほうらいのふろうせん)』
  蓬莱※とは、中国の伝説の山で
  そこには仙人が住み、宮殿は全て金で出来ている
  蓬莱山には、不老不死の仙薬があるといわれ
  秦の始皇帝に命じられた徐福(じょふく)が
  仙薬を求めて旅たち、ついに帰ることが無かった
  という伝説もよく知られている          ( 淡交社:禅語大辞典 )

 
※蓬莱は中国の三神山の一つ
  渤海の東の海中にあるといわれる伝説の島で
  仙人が居住する不老不死の地であるということにより
  寿を祈る心から、新年の寿ぐことばとして用いられる
    
※三神山:蓬莱(ほうらい)、方丈、瀛州(えいしゅう)
                              ( 茶と美舎:歳時記 )

新しき年の初めを祝う(寿ぐ)のはどうして・・・・
その起源は定かではありませんが
太古の昔
暦が作られたときから始まったと考えてもよいかと思います
暦は1月から始まり、12月で次の年に移ります(改まります)
新しき年の初めは(新しきものは)、皆物が伸びます※
人々は、そんな時の到来を祝し
心を新たにしたのではないでしょうか
 ※「伸びる」は次の意味で使われます
     空間的に長くひろがる
     財産が豊になる、勢力や能力が盛大になる (広辞苑)


日本の暦は、仏教伝来と時を同じくして
6世紀ごろ朝鮮半島を経て中国から伝えられたといわれ
7世紀初頭に、陰陽五行思想も伝来したものと推定されています
(参考に四神相応をご覧ください)

古代、朝廷では節日などがある日に宴会が行われました
この日には、天皇が出御して酒食を群臣に賜りました
この日を節会といわれます
元日をはじめとし
白馬
(あおうま)、踏歌(とうか)、端午、重陽、豊明(とよのあかり)、任大臣などの日です

また、季節の節目の日を節句といい
人日(1/7)、上巳(3/3)、端午(5/5)、七夕(7/7)、重陽(9/9)
などの式日です
節日に供する供御(くご)を「おせち」といい、節供(せちく)と呼ばれます
正月に出される料理を「おせち料理」と言われるのは
このことからきているといわれます
田立の滝:日本滝百選
山行日:2005.11.09、(晴・曇)
所在地:長野県南木曽町
山呼-リスト
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
山呼らいぶらり〜
万歳とは広辞苑によると          (参考に山呼萬歳聲をごらんください)
・ 祝意の意を表すため 両手をあげて唱えることば、めでたいこと、祝うべきこと
・ いつまでも生きること、 いつまでも栄えること、などなど・・・・
山に登頂できたときに、達成感や充実感などが身体を包み喜びがあふれたときにでる状態
滝にこれた喜びと共に、スケール比較のための手段として自然に出る姿勢(別に手を上げなくても)
遠くの人に自分の位置を知らせるためにする仕種(この場合は片手でも可能、手を振るのが上策)
スポーツ観戦など共感する人々の手段としてする行為・・・・、万歳にこめる意味もさまざまです
不老不死の仙薬があるという蓬莱山
新しき年を寿ぐ言葉として
新婚家庭の船出を祝福する言葉として
その他いろいろ・・・、蓬莱という言葉は
私達には非日常の言葉かもしれません
祝意を具体的に表現できる行為として
「万歳(ばんざい)」があります
両手(諸手:もろて)をあげるところに
意味があるのかもしれません
しかも声を出して・・・・
(片手では挨拶程度にしか見えません)
故事によると
「万歳」は「三呼(山呼)」とも言われ
自然と自分とが一体となって
共鳴する響きが正月をはじめとする
祝い(寿ぎ)の席にふさわしく
好んで用いられるのだと思います
今回は、お目出度いお正月にちなんで
「万歳」のシーンを
アルバムから抜き出してみました
イワス山、山行日:2006.04.28(晴)
      所在地:滋賀県彦根市
天狗堂、山行日:2006.12.23(曇/晴)
     所在地:滋賀県東近江市
赤岳(南八ヶ岳)山頂:百名山
山行日:2006.08.23/25(曇・晴)
所在地:長野県茅野市
南木曽岳山麓 女滝
山行日:2005.11.24、(晴・曇)
所在地:長野県南木曽町
根尾の滝:日本滝百選
山行日:2005.05.11、(晴)
所在地:岐阜県下呂市
ここにいますよ〜、という気持ちもこめて
余談
「万歳」という言葉から来る響きは
その人が受けた教育や環境・時代などによって
感じる印象はさまざまです
あの忌まわしい大戦から60年、過ぎ去った今も
「バンザイ」といってなくなられた方々を偲ぶとき
胸が締め付けられる思いです
忘れられないし忘れてはならないことと思います
21世紀となり、戦後世代が過半数以上を占め
「万歳」にかける思いも変わってまいりました
スポーツの国際大会などでは、国旗・国歌に涙し
バンザイを連呼する人達が映像で配信され
今や、バンザイは多くの人達が一体感を得られる
数少ないアイテムの一つかもしれません・・・・