【 鳴物入(なりもの・いり) 】
  歌舞・演劇などで鳴物を入れて調子を取り、または賑やかにすること
  転じて、物事に大袈裟な宣伝などを伴うこと
                                              ( 広辞苑 )

スポーツなどで
「大型新人」とか「助っ人」などと、大仰なうたい文句で
入団発表や記者会見のシーンを見ることがあります
新規参入や既存のチーム・グループなどに、一般の方の耳目を向けさせ
注目をあつめたいがために、演出効果の手段としてつかわれます
そのチームやグループにとって、「その機会」をプラス方向に作用させたい時に行います

鳴物を付けられたもの(者・物)、鳴物を入れられるものにとっては
期待の表れでありますが
逆に、主体となるものの宣伝に利用されていることにもなります
事前の注目度が大きいほど
鳴物のボルテージも過大になり、投じられる経費も手段もアップします


当然のことながら、それを見聞きしたものは
鳴物が大きければ大きいほど、関心も高まります
ひいきのチームやグループになれば、尚一層期待が膨らみます

よく、「鳴かず飛ばず※」ということを言われます
            (※長いこと何も活躍しないでいることを軽蔑していう)
鳴物入りで世間に踊り出たが、期待通りの成果が上げられればそれでよし
逆に、鳴かず飛ばずとなり、期待を裏切られると世間からも忘れ去られます
成功・失敗は世の常ですが
鳴物をつけられたものにとっては、その反動は小さくは無いはずです


とは、いいながら、鳴物をつけられる・入れてもらえるもの(者・物)にとっては
それまでの努力でかち得た結果でもあり、選ばれしもの(物・者)といえます
急にそのような立場になったわけでも無い(予定のこと)という場合や
逆に、媒体に作為的につくられた(演出された)場合もあります

情報化社会のなかにあって
物事を過小評価することは少なく(控えめ)
鳴物をつけるということは、過大評価にもつながりかねません
一般視聴者は、送り手の意図を冷静に見極め
物事に惑わされない識眼力を養うことも大切だと感じます


特別な技量や才能をもたないものにとっては、鳴物などには縁が無いと思っています
しかし、隠された才能が引き出される場合もあり
「ある日突然」、なんてことがおこるかもしれません
反対に、実力以上の評価をされると小人は背伸びをしてしまい
無残な結果になることがあります
いずれにしても、結果責任は自分自身にあり
日々の精進を怠らず、マイペースで行くことができれば幸いです
開版(かいぱん) 
魚ぱん(かいぱん)、魚鼓とも呼ばれます
叢林(そうりん:寺院;特に、禅寺)における
日常の行事や儀式の
刻限を報じる魚の形をした法器のことで
木魚の原形となっているものです
解説書には
「魚は不眠不休でいるところから
怠惰を戒めるためにこれを叩く
とありました

魚の右にあるお堂は斎堂(食堂)で
柱に吊り下げられている棒で叩くようです
野球のバットのようでもあり
すりこぎの親分のようでもあります
周囲の竹は、手摺ではなく結界です
合山鐘(がっさんしょう)
開山堂回廊の途中に吊り下げられています.
雲文梵鐘で特別な儀式の時に鳴らされます

なお、鐘楼は別にありました
鳴物:黄檗山万福寺の場合
         (写真は三門、奥に天王殿)
所在地:京都府宇治市

江戸時代、中国から渡来した隠元禅師の開創になる黄檗宗の大本山。中国の明朝様式を取り入れた伽藍配置と建築物があります
儀式作法も中国明代の仏教儀礼、法式梵唄を継承され、日本にいながら明国にタイムスリップしたような感覚に包まれます。
多賀大社 太鼓橋(写真再掲)
山行日:2003.05.03、(晴)
所在地:滋賀県多賀町

多賀大社は、伊勢神宮の祭神である天照大神の両親の伊邪那岐、伊邪那美の2神を祀り、古来縁結びと延命の神として全国的な信仰を集めています。開基の年代は明らかではありませんが、平安中期に名前が出てくる古社。鎌倉時代には犬上郡の惣社とされます。
この橋はその入口にあります
ホイッスル(10円玉と比較)

ご存知のとおり、スポーツ競技等で使うです
最近はプラスチック製が多いのですが
これはステンレス製です。20年来、ウエストバックの中にしのばせ、現在も、9人以上のパーティーの場合、首に下げています
これまでに1度だけ、吹いたことがありますが
あまり使いたくはないものです
鳴物;若狭 神宮寺(じんぐうじ)の場合
所在地:福井県小浜市

若狭は神社や寺院の多い所です。白鳳時代以前からひらけ、朝鮮半島や大陸の文化が、大和へ運ばれた最も近い道であったことにも
起因しているようで、神宮寺も数ある古社寺の一つです。神宮寺は、714年の創建で、奈良二月堂へのお水送りの寺として、さらに神仏両道(神仏混淆)の寺院として知られています

  参考に 若狭古寺巡り をご覧下さい 
庚申山からの南鹿遠望(滋賀県水口町)(4枚合成写真)
↓鎌ヶ岳
雨乞岳↓
綿向山↓
↓御在所岳
高畑山↓
↓油日岳
↓那須ヶ原山
三子山↓
↓仙ヶ岳
竜ヶ岳↓
藤原岳↓
鈴北岳
山行日:2003.08.13、(晴)
所在地:三重県藤原町

ここは鹿山系の
北岳山頂(標高:1182m)です
左の方向(西)に行くと
ヶ岳(標高:1130m)
後の方向(南)に行くと
御池岳(標高:1247m)です
鳴物の「鈴」にちなんだところです
県名
印の県に「目的地」があります
山葵の山行まっぷ
三重
京都
福井
滋賀
岐阜
長野
みたいな
今日のことば
一緒にいってみたいなこんなとこ
505版:平成17年3月17日 木曜日
鳴 物 入
カウベル(10円玉と比較)

山行仲間からゆずって頂きました
ザックに常備し、クマの出没する所では
ザックに結び付け、素敵な音を出します
自分の歩調と同じサイクルで
音が出るものですから
自分は非常に心地良いのです
が、他人にとっては非常に耳障りなもので
「何とかしろ」といいたくもなります
あなたも、加害者になっているのでは・・・・
他に、宿泊の山行では
携帯ラジオを持参するのですが
このラジオも、より以上に耳障りなものです
勾配のある山道を歩いているときに
なぜラジオを聞かなければならないのか
不器用な編集子めは理解できないのです
山行に見る 音の出るもの
2004年の秋は
熊が里まで降りて、大騒ぎとなりました
編集子も、車の中ですが
目前で見かけた経験があります
山行する者にとっては
熊に出会う確率が多くなったわけで
実際、出没する地域への
山行企画を変更するなど
思わぬところに影響がでました
従前から
クマに出会う前の対策として
声高に話したり
鳴物をつけて歩いたり、などと
色んな試みをして
その時に備えています
今回は、鳴物にかかわる山行や
音の出るものを特集してみました
親父ギャグのようなものもあり・・・・
が、本人はいたってまじめなのです
イワス山↓
↓天狗堂
男鬼山↓
高室山↓
青龍山↓
↓秦川山
↓八ツ尾山
↓御池岳
鍋尻山↓
霊仙山↓
伊吹山↓
荒神山山麓(彦根市)からの北鹿の遠望(2枚合成写真)、水面は宇曽川河畔です
鈴ヶ岳↓↓鈴北岳
南宮神社 太鼓
山行日:2004.03.09、(晴)
所在地:岐阜県垂井町

ここは、関が原の合戦でお馴染みの関ケ原町の隣町、垂井町にあります。東軍と西軍が対峙したときに、南宮山の山麓にある南宮神社の辺りには、吉川広家、安国寺恵瓊が布陣、毛利秀元は山中に布陣した所です
この橋は、神社の入口にあります
南宮山は、神社の左脇から登り始めます。山中にはいたるところに椿が植えられ、開花時期には華の共演が繰り広げられます
堂宇をつなぐ回廊を通行する修行僧

境内には、時刻をしらせる鳴物として、巡照版、開版、雲版、合山鐘(釣鐘)があります
この寺院は、修行の寺でもあり、鳴物で一山の起居・作務をおこなっているので
間違っても鳴らさないようにご注意を・・・・

       参考に 茶摘唄 もご覧下さい
五連の句意は
謹白大衆(謹んで大衆〔修行者〕に申し上げる)
生死事大(生死は、事大にして)
無常迅速(無常は迅速なり)
各宜醒覚(各々、覚醒して)
慎勿放逸(無為に、時を過ごさぬように)

仏教修行者の心を戒めているといわれます
巡照板(じゅんしょうばん)
この版木は禅道、西方丈など
境内五箇所に吊られています
朝四時と宵の九時に木槌で打たれ
起床と消灯を告げ
順次打ち鳴らされます
雲版(うんぱん)
青銅製の打ち物です
雲の形をしています
朝と昼の食事と
朝課の時に
打ちならされます
写真の「」は、神宮寺でお守りとして販売されているものです。お寺の紋が菊に鈴。これにちなんでいるのだとか・・・・ 
美ヶ原 美しの塔
山行日:2003.07.22、(晴一時曇)
所在地:長野県和田村

塔の中に鐘があり、きれいな音が響き渡ります
山呼-リスト
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
山呼らいぶらり〜