【 挑む(いどむ) 】
  ・ きそいあらそう、はりあう、競争する、  ・ 恋慕をしかける、言いよる
  ・ 戦いをしかける、挑戦する                         ( 広辞苑 )

山行をする私たちにとって、「挑む」という言葉は、時々口の端から出てきます
「山野(自然)は大いなる存在だ」、と思っているものにとっては
そこに身を置くことそれ事態が、その人にとっての「挑む」という行為だと思います
スポーツの試合などにおいて使われる「挑む」は
自分より格上のものや同格のものに対して抱く真情はもちろんのこと
格下のものに対しても、「挑む」という気持ちを抱きます
自分の慢心をおさえ、謙虚な気持ちで試合そのものに対し、勝てる試合は確実にものにする・・・・
もし、「そうでない」ならば、その時点で試合をなめていると言われるかもしれません


さて、対する相手が「山野(自然)」であるときですが
山野に身をおくことを次のように、色んな言い方で表現されています
 ・ スポーツ:遊戯・競争・肉体的鍛錬の要素を含む身体運動の総称
 ・ アウトドア:戸外、野外で行う行為
 ・ ウォーキング:歩くこと、歩行
 ・ ハイキング:自然を楽しむために山野などを歩くこと
 ・ トレッキング:山歩き、特に高山の麓を歩いて風景などを楽しむもの
 ・ ワンダーフォーゲル:青年・学生のグループによる山野徒歩旅行の運動
 ・ 登山:山登り
 ・ ロック・クライミング:登山で、岩壁をよじのぼること                 ( 広辞苑 )


この中で、私たちが一般的に行っている「山行」は、ハイキング・トレッキング・登山に属します
山野に赴く理由・目的には、人それぞれ・・・・
「そこに山があるから・・・・」、「自分が自然界を形成する一部分であることを確認するため・・・・」
というものから、体力増進、精神修養鍛錬、癒し、観光目的、親睦、逃避、安らぎ、等々・・・・
それぞれの思惑で山野と向き合います
その時々の気持のありようでも、理由・目的が変化してまいります

よく、「○○山に挑戦する」、「○○山を征服する」などと表現しますが
○○山を相手にしているのではなく(相手にされる立場にはない)
自分自身を相手にしていることで
すなわち、「○○山に登ります」、「○○山の山頂に立ちます」、と同じ意味合いだと思います
相手が大いなる存在ですから、私たちは「挑む」という立場になります
この「挑む」という言葉の中には、その人によっての位置づけが、人の数だけあります
     もっとも、何も大変な(しんどい)思いをして、山野に行かなくてもいいものでしょうが
     また、そこに価値観を有していない方は理解できないかもしれませんが・・・・

山野(自然)に対する「挑み:挑戦」そのものではなく、山野が行為の場所、山行が手段であり
自分自身に対する「挑み」が「目的」である、という考え方も生じてきます
そして、「気力」や「根性」などという言葉がうまれ、自分の言葉として表現することができます
古来より、多くの人々は山野に畏敬の念を抱いてまいりました
山野(自然)に対し、真摯(まじめでひたむきなさま、態度)に向き合い、自分の限界に「挑み」
   己に打ち克って(勝てはしません)、明日へのカテ克て)にしたいものです・・・・

山行(スポーツ)をし、絵画や音楽・演劇等の芸術を楽しみ、笑いを産み出し、etc・・・・
そして生活を愉しむために「挑み」続けます・・・・いい人生でありたいとするためにも・・・・
                                    参考に 修行と修験 もご覧ください
常念岳・蝶ヶ岳縦走:疲労
山行日:2003.07.26、(晴)
所在地:長野県松本市安曇
 一の沢から常念岳を経て
蝶ヶ岳・上高地に至るルート
このコースは編集子の体力なら
普通2泊3日のルートです
常念岳登頂は12:15
これなら充分いけると判断し
蝶ヶ岳へ(結果は1泊2日)
数度のアップダウンを
地図から読み取りながら
一歩一歩、徐々に体力を消耗
アゴが上がり肩で息をし
あえぎながら蝶ヶ岳に到着
原因は睡眠不足と空腹でした
蝶ヶ岳山頂だけに太陽が降り注ぎ、周囲はガスで視界なし
北岳 雪渓〜八本歯のコル
    :足のケイレン
山行日:2001.08.16、(晴)
所在地:山梨県南アルプス市
 お盆休みが取れた嬉しさに
いさんで出かけてきたのは
良かったのですが
日頃の運動不足がたたって
足のふくらはぎにケイレン
以前から
軽い症状は出ていたので
装備としてステッキを購入
この山行で初めて使用
以来、長時間の登りには
爆弾を抱えてしまうことに・・・・
剣岳 前剣越:撤退
山行日:1985.08.15、(晴)
所在地:富山県立山町
 室堂 03:00起床
雄山から真砂岳尾根縦走
別山乗り越えを経て
前剣へ14:00(11時間経過)
雷と疲労で避難=下山を決断
今では
考えられない強行軍でした
奥穂高岳 岳沢ルート:難渋
山行日:1986.08.13、(晴)
所在地:長野県松本市安曇
 初めての北アルプス
このときはルートの下調べも充分でなく
水筒のフタがしっかり閉まっていなくて
大切な中身の水がこぼれてしまいました
運良く雪渓に残るザラメの雪を溶かして
奥穂高岳に「挑んだ」ことを思い出します
以来、教訓に・・・・容器のふたはしっかりと
みたいな
今日のことば
512版:平成17年7月1日 金曜日
挑  む
尾瀬 至仏山:尺取虫歩行
山行日:2001.09.18、(晴)
所在地:群馬県片品村
 標高差:620m
数字から見ると
なんでもない山なのですが
1ヶ月前の北岳山行の疲労が
残っていたのでしょうか
山頂を目の前にしてケイレン
階段を何とか降りたものの
見晴らし十字路までの
長いこと長〜いこと・・・・
翌日はヒザまで痛めしまい
まるで尺取虫歩行でした
以来、自戒をこめて
編集子の別名に・・・・
閑話 大変だった、厳しかったと思うには、それなりの原因があります
    体力不足、寝不足、技量不足、等々、すべて自分自身に帰するものばかりです
    天候などは例外というかもしれませんが、事前の調査をしておれば・・・・
    後から思うと納得することばかり、だから日々鍛錬をし、練習もするのです
    と、分別くさく言い聞かせながらも、怠けたいと思うのが人情でございマス
    ここにも「克己」の材料が隠れています
    山行は、自分を見つめる絶好の機会です、多くの方が愉しんで下さればと念じます
山行に見る 山は先生
一緒にいってみたいなこんなとこ
山葵の山行まっぷ
印の県に「目的地」があります
県名
富山
長野
山梨
【 克己(こっき) 】
 ・ 己に克つこと
 ・ 意志の力で、自分の衝動・欲望
   感情などをおさえること
(広辞苑)
この言葉を
私たちは色んな場面で使います
仕事しかり、スポーツしかり
あるものに「挑む」ことによって生じる
自分の思考のよりどころとして・・・・
しかし、生易しいことではありません
己の技術や能力にも限界があり
欲望や誘惑なども妨げになります
努力や精進、そして多くの方々励まし
などにより、幾多の問題を克服した
その後に達成感・充実感・満足感などが
感じ取れます、しかし
得るものもあれば失うものもあります
それらをすべて受け入れたとき
「自分をほめてあげたい」と感じ
「次へのステップ」となるのだと・・・・
 山行では、いつも自分との戦いです
勝つときもあれば敗退するときも・・・・
今回の焦点は「挑む」にことよせ
編集子にとって大変だった山行をあげてみました
山は先生です、掲載写真はほんの一部です
ここで撤退 ↓
群馬
山呼-リスト
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
山呼らいぶらり〜