【 修行(しゅぎょう、スギョウとも) 】
 ・悟りを求めて仏の教えを実践すること
 ・托鉢をして巡礼すること
 ・精神をきたえ、学問・技芸などを修め磨くこと。また、そのために諸国をめぐること。武者−
  (修業(しゅぎょう、シュウギョウとも):学問・技芸などを習いおさめること。板前−、花嫁−)
【 修験(しゅげん) 】
 ・山野において霊験を得るための法を修すること
 ・修験道の略(役小角(えんのおづの)を祖と仰ぐ日本仏教の一派
          日本古来の山岳信仰に基づくもので
          もともと山中の修行による呪力の獲得を目的としたが
          後世の教義では、自然との一体化による即身成仏を重視する
          中世に天台系の本山派と真言系の当山派が確立した)
        ( 広辞苑 )

孔子の言葉に「十五才で志学、二十才で弱冠、三十才で而立・・・・」というのがあります
私たちは、己の道を選択するために「学問」をして知識を身に付け、「運動」をして体力をつけます
そして、運良く自分の道(仕事等)を見つけられたら
そこから更にその道を深めるために、学問・技芸を身に付ける必要に迫られます
最初から、自分のやりたいこと、したいことが見つけられれば申し分ないのですが
多くの人が、思い・悩み・惑っての後に、ようやく自分の道を見つける(られない場合も)に至ります

しかしながら、好んでその道(仕事等)に就ける場合はいいのですが
吾が道(適職、天職、生甲斐)と言うのは、そう容易くは見つからないものだと思います
「成り行き」でとか、「否応なく」などと、責任を排斥(転嫁)した物言いになってきます
とは、言っても、日々の糧を得るためにも職業につき、技芸を習得し
その道のプロとして、自立しなければなりません
それが、職業人であれ、専業主婦であれ、聖職者であれ・・・・、例外ではありません
己を磨くための自己研鑚「修業」に励むよう、気持を志向させます
「好きこそ物の上手なれ」という言葉があります
器用な人は、日時をかけなくても一通りのことはできるでしょうが
不器用な人は、いつまでたっても習得できず、上達もいたしません
しかし「十年経てば・・・・」といわれるように、どのような人でもやりつづけることにより
器用な人のそれよりも上回ることもあり、一芸に秀でることにもつながります
その人をして、技術もさることながら人をも磨き上げることになっているのではないでしょうか
それを言い換えると、「修行」という言葉で表されるのでしょう
そんな人に限って「一生勉強」・・・・、よく耳にする言葉ですが、言うは難し、行うも難しです・・・・

最近、「フリーター」とか「ニート」という言葉が聞かれます
努力をするのを良しとしないのか、定職を持つのを良しとしないのか、わかりませんが
マスコミなどにおいて、経済社会において、忌々しき事態だといわれています
古来から、人々は「自己研鑽」や「行」を自分に科し、己を律して来ました
スパースターと言われる人でも、人の目に届かない所で、人一倍の努力を積んでいると思います
「千里の道も一歩から」といわれる如く、普段からできないものが、本番(将来)に
力を発揮できるものとも思えません、日々の努力の積み重ねがあってなしえるものと思います
私のような凡人にも、凡人なりのやり方があります(遊びと言う人もいるけれど・・・・)
山行だってその(行)一つです
険しい山道も一歩一歩踏みしめて・・・・、
尺取虫のように(編集子の別名)
鷲峰山 金胎寺 行場
山行日:2004.04.13、(晴)
所在地:京都府和束町

鷲峰山(じゅうぶさん、標高:685m)の頂上近くに役小角の開基になる金胎寺があります
そこには
滝や奇岩怪石が重なる
修験道の霊場があります
写真の岩は
「護摩壇」と説明がありました
天端が平になっています
下の岩で支えられている
だけで、今にも崩れ落ちそう
なのですが・・・・
右側が細い行者道です
鳳来寺山 鳳来寺 鷹打場
山行日:2002.07.06、(曇後雨)
所在地:愛知県鳳来寺町

険峻な山容を持つ鳳来寺山は
古来より霊山として崇められ
峰の薬師としても信仰を集め
また修験の霊場として栄えました
写真はその中腹にある行場の一つ「鷹打場」です(写真再掲)
山葵の山行まっぷ
滋賀
京都
鳥取
愛知
みたいな
今日のことば
山行に見る 修験道行場
502版:平成17年1月23日 土曜日
修行と修験
三徳山 三仏寺 投入堂 (写真再掲)
山行日:1996.06.11、(曇)
所在地:鳥取県三朝町

三仏寺は、三徳山の麓から中腹にかけて
諸堂が建つ山岳仏教の霊刹です
縁起によると
役小角が開いた修験の行場でしたが
後に、慈覚大師円仁によって伽藍が建立され
天台宗三仏寺となったと言われています
写真は洞窟の中に建てられた
山陰最古の木造建築物で、奥の院にあり
超一級(国宝)の建物です(編集子お勧めです)
県名
印の県に「目的地」があります
飯道山 飯道寺 行場
山行日:2003.12.14、(晴)
所在地:滋賀県水口町

天台修験の行場で
開基は役行者(役小角)
山頂近くにあります
写真は「蟻の塔渡り」です
判りにくいのですが
右側、黒っぽい岩の中央に
すき間があり
光の向こうに樹木が見えます
そこに行くのに
岩壁の下に尖った岩があり
それを伝って光の窓に進みます
以外にも、こわいですよ〜
一緒にいってみたいなこんなとこ
笠置山(鹿鷺山)笠置寺 行場
山行日:2004.03.13、(晴)
所在地:京都府笠置町

笠置寺は
役小角の開基になる寺で
山内には
真言修験の行場があります
写真は、その行場の入口
「胎内潜り」の入口です
また、山中には巨岩に彫られた
弥勒の摩崖仏があり
この菩薩仏さまを中心にし
発展してきたと言われます
山呼-リスト
山野に赴く理由には、人それぞれ・・・・
人の数だけあります
体力増進、精神修養、癒し、観光目的
親睦、鍛錬、逃避、安らぎ、等々・・・・
それぞれの思惑で山野と向き合います
その時々の気持のありようでも
理由、目的が変化してまいります
古来より、私たちは山野に
畏敬の念を抱いてまいりました
八百万の神々の存在ともあいまって
山岳信仰と結びつき
人が容易に近づくことができないような
深山幽谷にその場が求められ
修法も確立されました
時代は経て、山間深部まで開発が進み
私たちも容易にその場に臨むことが
可能(一部を除く)になりました
今回は、山間における修行の「場」
ということで修験道行場を特集しました
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
山呼らいぶらり〜