【 枩高白鶴眠(まつたかくしてはくつるねむる)
常緑の松は長寿の象徴であり
とりわけ高く聳える松は高潔な印象を与え、男性的でやや威圧的でもある
鶴もまた、「鶴寿千歳」と称されるように長寿の象徴であり
なかでも白鶴の優美な姿は清廉潔白な印象を与え女性的な優しさを持つ
めでたさの上にもめでたさを重ね
さらに仙境をを思わせるような洒脱な雰囲気をかもし出している
                 出典:李太白詩集、類語:白鶴眠松上   ( 淡交社:禅語大辞典)


昔はお正月には、その年の新しい神が、どの家庭にも降りてくると考えられていました
門松は、新年に、その歳神を迎える依代(よりしろ:神霊が招き寄せられて乗り移るもの)として
家々の門口に立てて飾られました
言い換えれば神様が降りてくるところの目標物です

また、門松を一夜飾りしてはいけないと言われることがあります
これは、神様を迎えるのに一夜では誠意が足りないと言う理由からなのだそうです
また、しめ飾りは新藁を使って作られ玄関の軒下に飾られます
古い年の不浄を祓う意味が込められます
年神を迎える歓迎の意と、新年の豊作を祈る気持で飾られます    (世界文化社:冠婚葬祭)


ところで、「枩」は松の異体字です
木:はボクと読み、個人を意味します;すなわち私
公:はキミと読み、公(おおやけ)を意味します;すなわち貴方、貴女
以前、次のような言葉をご紹介したことがあります
「松という字をほどいてみれば、公(キミ)と木(ボク)との二人連れ」

すなわち、世の中は(公は)一人では成り立ちません
一人一人が分に応じた存在意義を自覚し、コミュニティーが形成されます
一人づつが、しっかりした根をはり、寄り合って、そして大樹を支えます
根が強すぎると幹や枝に栄養が回り過ぎ花が咲かず、根が弱いと木が育たない、とも言われます
白鶴が飛来してくるような立派な松に育つには、「木と公」が仲良く寄り添い
木は公のために公は木のために、協力してこそ成り立ちます


「めでた めでた〜の 若松さま 枝も 栄えて葉も茂る・・・・」
ご存知、花笠音頭(山形県民謡)の歌詞の一部です
私たちは、おめでたいとき(目出度い、芽出度いは当て字)に、口からついて「マツ」が出てきます
「松竹梅」の松、「老松」の松、「相生の松」など
松は長寿や節操を象徴するものとして古来より尊ばれてきました
しかし、山野に入ると、酸性雨での松枯れや、松喰い虫などによる被害で
目を覆いたくなる状態を、目の当たりにすることがあります。改めて考えさせられます・・・・

「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし」(一休宋純の狂歌)

『門松を立てるごとに年を重ねるから、門松は死に近づく印である』
と皮肉ったのは600年も前のこと
今は、門松も立てることがなくなった家が多くなりました(門がなくなったのも一因でしょうか?)
知ってか知らいでか、冥土で一休さんが苦笑いしていることでしょう・・・・
松無色古今 もどうぞ
高取山の
山行日:2004.12.022、(晴)
所在地:滋賀県多賀町

八ツ尾山山系の一角に
高取山というピークがあります
現在は公園化され
ハイキングコースが
整備されています
この展望台は高取山の
ピークから少し下がった所にあり
視界を考えてのことでしょうか
松の木が残されています
湖東平野が眼下に広がります
県名
印の県に「目的地」があります
山葵の山行まっぷ
岐阜
兵庫
滋賀
みたいな
今日のことば
一緒にいってみたいなこんなとこ
501版:平成17年1月1日 木曜日
枩高白鶴眠
山行に見る 目出度き松
高砂や・・・・(中略)・・・・松根によって
腰をすれば、千年の緑・・・・(後略)

これは謡曲「高砂」の詩章です
また、能「羽衣」の松と伝えられる
静岡県三保松原にある「松」が有名
ですが、滋賀県にも有名な
「羽衣伝説」があります
近江風土記に記載があります
ただ、こちらは衣掛柳ですが・・・・
能舞台の背面には「老松」が描かれ
刃傷で知られるのは「松の廊下」等々
こと左様に、「松」に関し
人々の思いは
古より格別の思いがあるようです
本hpでも度々取り上げていますが
種はつきません
お正月にちなんで
山野にある「松」を特集いたしました
但馬
山行日:2003.06.29、(晴)
所在地:兵庫県香住町

日本各地には
白砂青松という
詩情あふれる情景があり
特に、日本三景に
松島と言うのがあり
人々の心をとらえています
ご多分に漏れず
香住の海岸にも
絶景がありました
これが、それ・・・・
関ヶ原 尾山
山行日:2004.04.01、(晴)
所在地:岐阜県関ヶ原町

標題だけでこの人の名前が
条件反射で出てきます
「小早川秀秋」その人です
この山上から
合戦の様子を
日和見していたのでしょうか
兎にも角にも
この人の行動で
その後の歴史の一ページが
追加されたことだけは
確かなようです
尾寺山(別名:秦川山)
山行日:2004.06.02、(晴)
所在地:滋賀県秦荘町

紅葉で知られる湖東三山の
中の寺「金剛輪寺」が
山麓にあります
右奥の谷は宇曽川ダムです
手前のこんもりとした塚は
古墳です
6〜7世紀にかけて作られた
渡来系氏族に関係するもの
だそうです
日本コバの
山行日:2004.12.12、(晴/曇)
所在地:滋賀県永源寺町

日本という大きな文字を冠した山
ここはその山頂です
多くの樹木が伐採された中に
松だけが残されていました
中腹から山頂を見上げると
山上に庭園があるのかな?
と思い、みまごう状況です
写真の先は愛知川流域の
田園地帯が広がっています
山呼-リスト
※ご参考までに
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資料からの引用です
山呼らいぶらり〜