【 松無色古今(まつにここんのいろなし) :五燈会元(ごとうえげん)】
これは「松無色古今、竹有上下節」
    (松に古今の色無く、竹に上下の節有り)と対句になっています
松は、千年万年の緑を常に保ち、その色は不変です
しかし、毎年葉は変わります
一方
竹には上下の節があって、その節で上下が判然と分かれていますが、同じ一本の竹です
つまり
この対句は、平等の中に差別があり、差別の中に平等があるということを示しています
                                      (禅語便利帳:主婦の友社)


すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により
政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない(日本国憲法第十四条第一項)

とあります
頭でっかちな私たちは
口では奇麗事を言っておきながら、腹の中では違うことを考えることがあります
人間は等しく同じだ、といいながら、貧富や権力の上下などによって対応が変わります
すなわち、差別を自然のうちにしています
いわゆる本音と建前です
しかし、平等だといいながら、老幼によって対応の仕方を変えることがあります
差別しないといいながら、長幼の序を説いたりします
すなわち、平等の中にも差別をすることがあり、差別をしながら平等に対応することがあります
このように物事には、一面だけでなくいろいろな見方や捉え方があります
物事を多面的に捉えられる視野を持ち、自分を大切にしながら、他人のことを尊重する
こんな建前のようなことが、本音でできればいいのですが・・・・

これとよく似た言葉に次のようなものがあります
【松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり):続伝燈録(ぞくでんとうろく)】
これは「松樹千年翠、不入時人意」
    (松樹千年の翠、時の人の意(こころ)に入らず)と対句になっています

自然は、春は花、夏は新緑、秋の紅葉と、四季折々に私たちを楽しませてくれます
その表面的な美しさや感覚的な美しさに、私たちの心はとらわれてしまい
松の翠が人の目をひくことはあまりありません
木枯らしが吹き、冬木立が目立つ頃となると
私たちを楽しませてくれた花や木々の晴れやかな色がなくなり
今まで目立たなかった松の翠の美しさに気付かされます

移り変わりの激しい世の中にあって、目立ったものや、変化していくものだけに目を奪われて
いつもそこにあって、変わらない:変化しないものの本当の姿(真理)を
見失わないようにしたいものです
善峰寺 遊龍の
山行日:2002.11.19(晴)
所在地:京都市右京区
京都の西山
西国20番札所:善峰寺に
この「遊龍の松」はある
地面を這うように剪定され
あまりの長さゆえカメラの
フレームに納まりきらない
ここを訪れる人たちの感嘆をほしいままにしている
この松を川に見立てたのではないでしょうが
楓の「花火」が
見事に開いています
イワス山 山頂のお化け
山行日:2003.09.01(晴)
所在地:滋賀県彦根市
彦根市の東部、霊仙山系の一角にあります
R307を
八日市の方から彦根に向かって進んでくると
霊仙山の前衛峰の位置取りで
採石された跡が緑の山腹に異様な形で
浮かんでいるのが認識できます
別名「原石山」とも呼ばれ
セメント会社の鉱山で、今は廃鉱になっています
山頂に上がると異様な樹木に出会い
ギョッとしてしまいました
よくみると、一本の松の幹から
無数の枝を張っているのです
自然のなせる技は
人工では考えられない造形美(?)を
作り(創り)出します
花堂 茶室「松隠・閑雲軒」
山行日:2003.04.01(曇)
所在地:京都府八幡市
  この茶室は、松花堂昭乗が
住んでいた男山の坊の脇に
小堀遠州が建てた
茶室「閑雲軒」を再現したもの
松花堂昭乗 (1584〜1639)
(しょうかどうしょうじょう)は
石清水八幡宮の社僧となり
次いで瀧本坊の住職となる
書道、絵画、茶道に秀でる
なお、松花堂弁当は昭乗が
発案したものではありません
山葵の山行まっぷ
滋賀
京都
みたいな
403版:平成16年1月15日 木曜日
一緒にいってみたいなこんなとこ
山呼-リスト
今日のことば
山行に見る 
新年などおめでたい時に
「松竹梅」を飾ります
門松にも
この三点セットが組み込まれ
仕立てられます
最近では
飾られない住宅も出てきました
伝統や習慣も
時代の流れで変わってまいります
禅語にも
「松竹梅」がはいったものが
数多くあります
今回は、その内の「」に
焦点をあててみました
松の木そのものから
建物、風景、山の名前など
いろいろありました
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
松無色古今
彦根城のいろは
国宝彦根城の濠端にあります
正面の山上に天守があります
松の本数を
数えてみたことはありませんが
47本はなかったように思います
松くい虫などに害されるなど
幕藩時代のものが
少なくなったようで
肥料をやるなどして
大切に守られています
尾寺山(標高:504m)
山行日:2001.05.13(晴)
所在地:滋賀県米原町
 山の西側に名神高速道路
東側に醒ケ井渓谷がある
さらに霊仙山が東方に聳えます
頂上から少し下りた所に
奈良時代に建立されたと
伝えられる「松尾寺」跡があり
国の重要文化財「九重塔」が
現存します
また、山域には石仏や石像が
いたるところで散見でき
歴史的にも興味深い所です
県名
印の県に「目的地」があります
山呼らいぶらり〜