今日のことば
709版:平成19年09月01日 土曜日
巣 掻 き
ハチの巣(空) 三佛寺
山行日:2006.10.17、(晴)
所在地:鳥取県東伯郡三朝町

三徳山三仏寺の奥の院
背後に三徳山(標高:900m)を
頂く山岳寺院です
岩屋(断崖に侵食などによる
大きなくぼみ)の中に
投入堂というお堂があります
その昔、役の行者が
法力により、岩屋にお堂を
投げ入れたといわれ、爾来
人々は「投入堂」と呼ぶように
なったと伝えられています。
イワツバメの棲みか(使用中)
      根尾の滝
山行日:2005.05.11、(晴)
所在地:岐阜県下呂市

根尾の滝は
飛騨小坂の東約15km
御嶽山頂の西側の2.5合目
あたりに位置します
登山道に「あまどり岩」という
景勝地が写真のところです
断崖にできた窪みに
イワツバメが出入りしています
山行に見る 巣場らしき所
一緒にいってみたいなこんなとこ
みたいな
山葵の山行まっぷ
印の県に「目的地」があります
県名
岐阜
鳥取
滋賀
鳥や虫・獣などがこもり住むところを
「巣(す)」といいます
山野を歩いていますと
当然のことながら巣に出会います
いちばん厄介なのが
スズメバチの巣
その攻撃性の凶暴さゆえに
私達の手におえません
春から巣づくりをはじめ
冬には死に絶え
巣は空き家になります
いわゆる山行の好機と重なります
刺激しないことが最大の防御とか・・・・
山野では岩に空き家が見られます
今回は
情緒ある蜘蛛の巣掻きにことよせて
生き物の住処のスケッチを拾いました
案の定、ハチの巣が多くありました
巣場(すば)らしき所に・・・・
山呼-リスト
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
山呼らいぶらり〜
【 巣掻き(すがき) 】
   クモが巣をかけること   ( 大辞林 )
 
「秋風は 吹きな破りそ我が宿の あばら隠せる 蜘蛛の巣がきを」
                
曽祢好忠、拾遺集1111番(雑秋)  ( 拾遺和歌集 )
 ( 秋風よ、わが家の蜘蛛の巣に吹きかけて破らないでおくれ
    あばらになって崩れ落ちそうな壁を、蜘蛛の巣が隠してくれているのだから)

秋の訪れです、山野の花の種類・山の表情なども変ってきました
秋の七草 秋の野に咲きたる花を指折りて かき数ふれば七種の花
          萩の花 尾花葛花なでしこの花 女郎花 また藤袴朝がほの花
                山上憶良、万葉集8−1537、1538番
     ( 秋の七草が勢ぞろいしています
         萩(ハギ)・薄(ススキ:尾花)・葛(クズ)・撫子(ナデシコ)・女郎花(オミナエシ)
         また、藤袴(フジバカマ)・朝顔(アサガオ、※)の花
           ※万葉集では朝顔を入れるが、この朝顔は桔梗(キキョウ)のこと
                      槿(ムクゲ)をさすという意見もある :広辞苑 )


暑かった夏もいつしか通り過ぎ
虫達の合唱の熱気も大きくなってきました(私達の気持ちがそう思わさせる・・・・)
自然は、時の移ろいを教えてくれますが、昨今は、様相が変ってきました
各地からの異常気象の報告です

エル・ニーニョ現象※やラ・ニーニャ現象(エル・ニーニョの女性型)などの
異常気象や温暖化(温室効果ガス)などで
今まで経験したことのない、体温より高い40.9度という気温が記録されました
    (※ペルー沖の海面水温の変化により
          世界各地に高温・低音・多雨・干ばつなどをもたらす :広辞苑)


私の子どものころの絵日記を見てみますと(今から50年前)
真夏は、30度そこそこで推移し、33度が最高気温でした(近江の片田舎)
今年は、その田舎でも36度を越えました、あきらかに気温が上昇しています


フェーン現象という作用もあるのでしょうが
ヒートアイランド現象も、見逃してはならないと思います
気温が高いから空調機をかける、その排出ガスが外気温を上げ
それにより、より多くの所で空調機の設定温度が下げられます、そしてまた上昇
負のスパイラルによって、悪影響がどんどん高まってゆきます

当然のことながら、人口密集地に影響は重なります
いい環境を求めることが悪い環境につながる
だれしもが意識をしながらのこと、いかんともできないのでしょうか
目の前に危機が迫らない限りできないのでしょうね・・・・


また、当然のことながら化石燃料など、資源の大量消費にも歯止めがかかりません
化石燃料などの消費が、環境にどのように影響しているのかは
研究者におまかせするとして(有る・無し、両論が出ているようです)
氷河が解け出したり、北極海の夏の氷の面積が小さくなってきた
などなどの報道がなされていますが、この情報とて象徴的現象の一部だと思います
色んな情報が巷には氾濫しています
はたして、異常はこれだけなのでしょうか
為政者は、いたずらに不安をあおるという意図から、事実を隠すでしょう
それが市民にとっていいのでしょうか・・・・


私達は、利便性や経済性などという名目のもとに、その実現に向けて努力をし
その成果を享受してきました、その結果が現在の状況です
人間の欲望は限りがありません(これを更なる欲:本hpでは更欲と定義します)
絶え間ざる技術革新により、人類の更欲に答えようと(楽観論:自助努力を信ず)
縮小するどころか、ますます肥大し続けることでしょう(悲観論:地球破滅への道)

裏を返せば、資源の有効活用や無駄使いをやめることよりも(否定ではありません)
人の更欲が、環境問題の本質的かつ重要な位置を占めていると思います
環境問題を本気で取り組む気であるならば、これ以上の進歩・発展は
「NG!」という、地球規模の総意も必要だという考えもでてきます

経済至上主義の現状では非現実的かもしれませんが、それ位の覚悟が必要かと
はたして、私達の生活を現状のまま、ないしは後退することが可能でしょうか・・・・


一方、市民の多くが実感している格差社会が、ますます両極化しつつあるなかで
地域格差をなくすことが期待されています(まさか、天の配剤ではないでしょう・・・・)
(誰しも抱く快適で文化的な生活の、欲望意識面での程度格差はないと思います)
しかし、負の地域といわれている所の多くは、自然が豊かで環境もいい所です
(この面では逆格差があるかもしれませんが、いかんせん更欲充足格差が大きい)

物質的な格差是正を求めようとすると、環境悪化の懸念は否めません
また工業的進歩発展を維持しながらの是正は、なかなか難しいところがあります
ナンセンスとは思えども、環境維持での物質是正、福祉や雇用・賃金だけの是正
そんなことができればと心ひそかに願っています
(人々の意識が改革されることを)

私達は、住み慣れた所を「巣(す)」と表現することがあります
ツバメが家に「」を作ってくれるということは、吉兆ということで歓迎されます
しかし、悪の巣窟(そうくつ)などになってしまうと、困ったことです
病巣(びょうそう)などもやっかいなことです
和歌にもあるように、蜘蛛のが、あばら家の壁の崩れを隠してくれるような
情緒のあるものならばいいのですが(現代人の感覚ですと臭い物には蓋かも・・・・)
自然環境の危機情報などを隠される(情報の巣掻き)のは困ります


政治問題化している諸懸案にしても、隠蔽体質が元凶と考えられます
情報発信側
(体制・マスコミ)の姿勢や、受信側(処理・判断する市民)の能力もあり
むやみに公開するのも考え物ですが
原則的に、公開への道が今以上に開かれることを期待したいものです
これまでは説明責任がウヤムヤにされ
市民の声が小さかったように思います
いや、小さかったのではなく、発信側が聞く耳をもたなかったのでは・・・・
時節が変るように、私達も意識の改革をしなくてはなりません
情報
(情報操作:意識誘導を狙った公開が怖い)を処理する能力の向上を・・・・

今まであったものが今年はなくなっている、自然は観測のバロメーターです
40年先には、北極海の氷がなくなるという研究結果が発表されました
北極の地下資源(欲の塊)などを求めて、世界各国は新たな開発をすることでしょう
新しい航路の開発、長期展望を核に戦略(勝ち残り策)を練っていることでしょう
勝ち馬に乗り遅れないようにと・・・・
それがまた、環境変化につながることを知りながら・・・・


今は昔、今昔物語※ではありませんが、環境問題の負のスパイラルははてしなく
欲の巣が、蜘蛛の巣の網の目のように張られてゆく状況が目に浮かびます
それを思うとき、あばら家の蜘蛛さん、あんたの心境やいかに・・・・
           ※参考に 「 新人の努め純潔と清楚 」をごらんください
スズメバチの巣と思われます
ハチの巣は
投入堂から右上方向
写真の位置関係にありました
ハチが飛び交っていた頃は
大変だったことでしょう・・・・
   
投入堂
不動堂
  ↓
ハチの巣
 ↓
鳥の巣(空) 佐目子谷
山行日:2007.08.22、(曇・晴)
所在地:滋賀県東近江市

登山道に転がっていました
奇麗な半円形で直径は15cmほど
強風で落ちたのでしょうか
ハチの巣(空) 猪鼻ガ岳
山行日:2006.11.25、(曇/晴)
所在地:滋賀県日野町

猪の鼻ガ岳(標高:508.1m)は南鈴鹿の西側に
位置し、北側には綿向山がそびえています
別名:宝殿ヶ岳(ほうでんがたけ)および
    宝殿山(ほうでんさん)とも呼ばれています
尾根筋の南東にある砥山(標高:615m)から
下山を北砂川の谷に降ります
このハチの巣は、その北砂川谷にありました
ハチの巣
  ↓
 
ハチの巣(空) 屏風岩
山行日:2007.04.10、(晴)
所在地:滋賀県多賀町

屏風岩は芹川(芹谷)にあり
幅約200m、標高差約50mに
わたって形成されています
大きく2箇所の岩壁からなり
芹谷からもその一部が望遠でき
登攀を楽しむ人達を見かけます
このハチの巣は西側にある
小屏風岩にありました
ハチの巣
 ↓
  ↑
岩の窪み