【 柵 (しがらみ)】
@.水流を塞きとめるために杭を打ち並べて、これに竹や木を渡したもの
A.転じて、柵(さく)。また、せきとめるもの。まといつくもの。「浮き世のしがらみ」 (広辞苑)
私たちは、日々「悩み」の海に漂い波にもてあそばれています
複雑に絡み合う(関係しあう)人の利害関係に翻弄され、義理や人情の狭間で苦悩しています
仏教用語で「四苦八苦」という言葉があります
四苦:生老病死
八苦:愛別離(あいべつり)、怨憎会(おんぞうえ)、求不得(ぐふとく)、五陰盛(ごおんじょう)
に「生老病死」の四苦を加えたもの
すなわち、・ 大切な人との別れ
・ 嫌いな人と会うことの苦しみ
・ 求めるものが得られない苦しみ
・ 色受想行識による苦しみ:五陰から生ずる心身の苦しみ
五陰は:「色」は物質および肉体、「受」は感受作用、「想」は表象作用
「行」は意志・記憶など、「識」は認識作用・意義
から成り立っている
釈迦は、その苦しみから脱せんためには、現世の欲得をはなれ「空」になれ、と説いています
「色受想行識」は『般若心経』の中の一節にもあり、262文字からなる仏典のひとつで
ご存知の方も多勢おいでだと思います
難しいことは解かりませんが、「智慧の完成されたもの」、と解説されています
私たちは、成人すると義務と責任が生じます
そして先輩からは
常理や分別(理性で物事の善悪・道理を区別してわきまえること)を教えられました
しかしながら、人間とは弱いもので、「欲望や誘惑」には勝てません
それが、人間らしい所以なのではありますが・・・・
毎日の情報機関の報道を見聞きしていますと
あまりにも、不公徳心や人倫の道に外れた行為のニュースの数の多さに唖然としてしまいます
世界の人口は、約60.6億人(2002年)で、その一人一人に「四苦八苦」があるわけで
「しがらみ」の数も、天文学的数字になり、ニュースの多さも当然と言えば当然であるわけです
なかには、人々の生命や財産を我が物とする不心得ものも出てきます
そこで、人々は自衛としてセキュリティーを考えます
家に無断で入られないように、玄関扉には錠を、窓にはクレセントを設備し
敷地の周囲には垣や塀をめぐらし、柵(さく)を構築します
昔は、家の戸締りをしなくても盗難に遭うことも少なかった(人口比率では同じ率かも・・・・)
子どもたちが、街角で理由もなく災難に遭うことも少なかった(同上)
自分が起す災いよりも、他人に起される災いに遭うことが多くなった、ように思います
何かが狂っている、どこかがおかしい・・・・デスよね・・・・と、思うのは私ひとりだったりして・・・・
「昔」に戻りたい、「昔」は良かった、という人が多いのも頷けます
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県名
印の県に「目的地」があります
山葵の山行まっぷ
山行に見る 柵、垣、塀
長野
京都
滋賀
奈良
富山
岐阜
住宅や工場などの敷地の周囲には
垣や塀が設けられ
牧場やゴルフ場などの広大な
敷地には柵が張りめぐらされます
基本的には、柵や垣などが
ないのが一番いいのでしょうが
危険防止や財産の所有権表示など
いろいろと、存在目的があり
その場に適したものが設けられます
住宅などの場合
堅苦しいコンクリートの塀でなく
緑豊かな生垣で町並みを統一しよう
と言う考えも出てまいります
敷地の垣根はいいのですが
近所付き合いもしない人もあり
心の「垣根」だけは
無しにしてもらいたいものです
今回は、山行で見かけた
柵、垣、塀を取り上げてみました
掲載の写真は、これでも一部です
塀 芳徳寺 築地塀
山行日:2003.11.22(晴)
所在地:奈良県奈良市
剣豪の里、柳生家の菩提寺
小高い山腹に白壁の築地塀が
山里の風景を助演しています
剣豪たちも白壁の内で
参禅の日々を過ごしたのでしょう
塀 龍泉寺 築地塀
山行日:2003.11.11(雨)
所在地:奈良県天川村
大峯山修験のベースキャンプとして知られる
洞川地区にある寺院の築地塀です
塀に塗られた漆喰の五本の白い帯が
なが〜くのび、寺院の大きさをうかがいしれます
塀 清滝寺 築地塀
山行日:2002.11.17(晴)
所在地:滋賀県山東町
京極家の墓所があり
紅葉の名所としても知られる
白壁の築地塀に紅葉が見事に映えています
塀 天龍寺 築地塀
山行日:2003.03.10(晴)
所在地:京都市右京区
京都嵐山にある天龍寺内の
子院の築地塀です
土壁が古都の風情を
あらわしています
電線が無粋に見えます
垣 銀閣寺境内 竹垣
山行日:2002.11.21(曇)
所在地:京都市佐京区
銀閣寺の庭園の一部に
この竹垣はあります
垣と言うより
塀に近い規模です
庭園内を鑑賞するための
遊歩道には柵も設けられ
植栽地内への
立入を規制しています
この銀閣寺には
有名な銀閣寺垣があります
垣 関ヶ原合戦 徳川本陣
山行日:2001.11.02(晴)
所在地:岐阜県関ヶ原町
1600.09.15
関が原の合戦で
徳川家康は桃配山から
最前線に近いこの場所に
本陣を移し
采配を揮いました
現在は土塁を回し
竹垣を築き
史蹟として
保存されています
垣 源義経 元服池
山行日:2003.03.20(晴)
所在地:滋賀県竜王町
源義経が京都鞍馬から
奥州の平泉に向かう途中
この地:鏡の宿で
元服をしました
その際に使われた水が
この池の水です
国道8号(旧中山道)の
すぐ脇にあり
地元の方が竹垣を設けて
大切に守っておられます
柵 浄瑠璃寺 参道
山行日:2001.04.23(曇)
所在地:京都府加茂町
別名:九体寺(仏像が九体安置)で知られ
庭園や附近の石仏がハイカーをひきつけます
一本の竹ですが柵としての効果は充分です
418版:平成16年5月20日 木曜日
垣 後山階陵 生垣
山行日:2002.11.21(曇)
所在地:京都市山科区
後山階陵
(のちのやましなのみささぎ)
仁明天皇女御
尊称皇太后 順子の陵です
山科駅を北へ進むと
毘沙門堂があり
そこに道標があり
導かれてここにいたる
生垣で聖域を表わしています
この前の道は
大文字山へのハイキング
ルートにもなっています
垣 清涼寺 生垣
山行日:2003.04.27(晴)
所在地:滋賀県彦根市
彦根城の北にあり
井伊家歴代の菩提寺です
石垣の上に
きれいに剪定された生垣が
日の光に映えています
垣の後方に見える山は
石田三成の居城のあった
佐和山です
垣 息長陵 生垣
山行日:2004.01.12(晴)
所在地:滋賀県山東町
息長広媛命(敏達天皇后)の
墓と言われる息長陵です
宮内庁の管理で
生垣が
聖域の位置を示しています
後方に見える山裾は
姉川の合戦で
重要な戦略拠点であった
横山です
柵 飯福寺 遊歩道
山行日:2001.11.19(晴)
所在地:滋賀県木ノ本町
この附近は
秋の紅葉シーズンともなると
多くのカメラマンや
ハイカーで賑わいます
遊歩道に設けられた柵ですが
これができたのは数年前
管理者としては
人の多さと共に
悩みの種も増えるようです
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
今日のことば
一緒にいってみたいなこんなとこ
し が ら み
柵 養老公園
山行日:2001.07.08(晴)
所在地:岐阜県養老町
養老の滝から流れ落ちた水は
この川を下り揖斐川に合流し
伊勢湾に注ぎます
川への転落防止の柵です
柵 直指庵 参道
山行日:2003.11.22(曇・雨・晴)
所在地:京都市左京区
竹林で知られる観光名所です
観光客は竹で作られた柵に導かれ
参道を進んでゆきます
柵 立山 地獄谷
山行日:2002.09.09(曇・晴)
所在地:富山県立山町
立山の室堂から
少し下ったところに
この場所はあります
柵外は
硫化ガスが噴出し
危険な場所なので
ハイカーは
この柵に沿って歩きます
遠くに見える山は
剣岳です
柵 美ヶ原高原
山行日:2003.07.22(晴・曇)
所在地:長野県松本市
牛伏山(標高:1,990m)から
南の方向を眺めています
辺りは牧場で
人間は
この狭い柵の中を通ります
山呼らいぶらり〜