トレインパークはくさん ルート トレインパーク白山(1:00/15:30)
トレインパーク白山
地  域 17:松任/南西S 概要 トレインパーク白山(Train Park Hakusan)は、石川県白山市にある、新幹線を中心とした展示を行う博物館で、正式名称は「白山市立高速鉄道ビジターセンター」ですが、公募により「トレインパーク白山」が愛称に採用されました。白山市は、JR西日本白山総合車両所ばかりではなく、金沢総合車両所松任本所(現在は閉所)、北陸鉄道石川線の鶴来車輌工場を持つことから、鉄道の街を標榜してきました。その観光の目玉として、「トレインパーク白山」が計画されました。車両整備と新幹線の見学を可能にするため、白山総合車両所に隣接した農地が建設場所に採用されました。北陸新幹線が、金沢から敦賀まで延伸されたことに合わせ、令和6年(2024)3月に開業しました。JR西日本白山総合車両所に隣接し、そこでの作業を窓越しに見学できるのが特徴です。また、新幹線学びと体感エリアが設置され、運転シュミレーションも体験可能です。
Mapion 石川県白山市宮原町
標  高 17m/16m=01m
距  離
体力度 ―、Θ
山行日 2024.11.09、(晴)
形  態 前泊、3名
時  間 所要01:30/歩行00:10
アクセス 自家用車、02:30
備  考 特に問題なし
入場券(表)
1階:新幹線学びと体感エリア 白山総合車両所案内図、※写真クリックで拡大
5階からの東側展望:北陸新幹線・右上が金沢方向・下り線で車輌が走行中
1階:新幹線学びと体感エリア パンタグラフ格納時
2019年.10月の台風10号で長野車輌基地が水没し10編成が廃車されました
車両の内の台車部分をクリーニングして展示
1階:新幹線学びと体感エリア 台車(実物)
見学デッキからの仕業交番検査庫、車輌は1〜5番線まであります
白山山頂部望遠(焦点距離:800mm)
白山望遠(焦点距離:150mm)
白山
 ↓
JR西日本白山総合車両所は、地平を走るIRいしかわ鉄道線第三セクター鉄道:松任駅-加賀笠間駅間)に並行する形で北陸新幹線の本線が高架で建設され、その2線の東側に平行展開する形で、回送線・車両基地などが建設されています。車両基地関係が21ha、保守基地関係が5haの広大な敷地(兼六園、約2.2個分)に設けられています。北陸新幹線が東京駅-金沢駅間の営業運転にとどまっていた間は金沢駅-車両基地間の約10km間は回送線として機能し、金沢駅以西への延伸開業後には、この区間も営業線に組み込まれました。本車両基地は、整備新幹線である北陸新幹線の施設として建設されたため、JR西日本が鉄道建設・運輸施設整備支援機構から賃借しています
なお、この施設は、高度な機密情報の塊であることから、敷地全周に鉄条網が張り巡らされ、トップシークレットの場所であることが窺い知れます。

※第三セクター鉄道とは
  1、日本国有鉄道経営再建促進特別法(国鉄再建法)により、
    日本国有鉄道やJRから経営が切り離された赤字ローカル線(特定地方交通線)や、
    建設中に工事が凍結された路線を引き受けるために設立されたもの。
  2、整備新幹線の開業に伴い
    JRから分離された並行在来線区間を引き受けるために設立されたもの
  3、赤字の私鉄路線を引き受けるために設立されたもの
  4、臨海鉄道
  など。
入場券(裏)
5階からの西側展望:北陸新幹線・左上が小松方向・上り線で車輌が走行中
1階:新幹線学びと体感エリア パンタグラフ操作時
見学デッキからの仕業交番検査庫、歓迎垂れ幕
見学デッキからの仕業交番検査庫、車輌は2番線で点検中
見学デッキからの仕業交番検査庫、車輌は2番線・3番線・4番線で点検中
5階屋上からの南東側展望
「トレインパーク白山 白山市立高速鉄道ビジターセンター」銘板
駐車場からのトレインパーク外観
山聲-TOP
北陸新幹線の敦賀から大阪への延伸についての考察
整備新幹線として、「小浜ルート」が政府与党内では決定されています。ところが、京都府ではいくつもの難問が立ちはだかっており、最終決定には至ってないようです。そこで、代替案として「米原ルート」が浮上していますが、いくつかの問題点が指摘されています。

1、「米原ルート」開通に伴う地元費用負担について
整備新幹線では、工事費(約1兆円とも言われます、費用対効果は1、)の約18%を、新幹線が通過する自治体が負担することになり、「米原ルート」の場合、滋賀県が約1,800億円(新駅の設置が必要となれば約+300億円)の負担を求められます。またこの金額に対し、費用対効果が有るか、大きな議論の余地があります。一自治体ではあまりにも負担が大きく、経済波及する近畿圏が、一帯となって負担してはどうかとの考え方があるのではないでしょうか。

2、並行在来線について
新幹線開通に伴い、北陸線では現在、米原-敦賀間を運行する列車を代表する「特急しらさぎ」が、運行廃止されると考えられます。また、利用者減に伴い、運賃の値上げ、車輌本数の減便、第三セクター設立による維持費等の地元負担金増加、等により、地域の活性が減退します。

3、開通時期について
東海道新幹線米原-大阪間はJR東海、北陸新幹線米原-敦賀間(予定)はJR西日本で、管理区域が分かれており、相互乗り入れに等に関する協議や問題点の解決が必要です。東海道新幹線では、1時間に約12本(間隔:約5分に1編成)のダイヤで、飽和状態であり、北陸新幹線が乗り入れる余地がありません。リニア新幹線が開通すれば、本数に余裕ができ、相互乗り入れが可能になります。ところが、リニア新幹線は、静岡県が工事着手を認めないという手法を取り入れたため、2027年に東京-名古屋間の開通予定が2034年以降となり、大阪までの延伸はさらに遠のくことでしょう。ゆえに、直行運転は当面は出来ず、米原駅での乗換えは必須となります。これらを考えると、工期が長いといわれる「小浜ルート」と大差がなくなり、米原ルートにおける工期上の優位性はなくなります。

4、新駅設置について
新幹線開通に伴い、地元負担金拠出の見返りとして、新駅の要望が出ると考えられます。
現在の各駅間の距離は次の通りです
  東海道新幹線:京都―68km―米原―50km―岐阜羽島
  北陸線:米原―46km―敦賀
  北陸線:米原ー7km―長浜―39km―敦賀
  北陸線:米原―22km―木之本―24km―敦賀
  北陸線:米原―31km―近江塩津―15km―敦賀
  北陸新幹線:武生―19km―福井―18km―芦原温泉
以上の条件から新駅設置を検討すると
  人口の多い長浜駅の場合:乗降客:3,723人/日、米原駅間距離:7km
         駅間距離があまりに近く、新幹線がトップスピードに至らぬうちに長浜駅に到着する
  中間駅である木之本駅の場合:乗降客:519人/日
         駅間距離としては北陸新幹線に比して妥当であるが、乗降客が多く見込めない
  湖西線の乗換駅でもある近江塩津駅の場合:乗客数:128人/日、平均通過人員:約10,000人/日
         湖西線の乗換え利用客を多く見込んでも、長浜駅利用者を越えないのでは
         ※「小浜ルート」で決定した場合、湖西線は並行在来線との見方:悩ましい問題
これらを集約すると、経営的には新駅を設置しない方向での考え方になりますが、負担金を拠出する立場としては、譲れない一線でしょう。しかし、費用対効果を考えると難しいところです。何はともあれ、悩ましい問題の山積となります。

5、まとめ
はたして、どれだけ多くの方が北陸新幹線を利用されるのか、適正な市場調査がもとめられます。通過地点である長浜市は、仮に、新駅が設置されても、受益が望めず地域発展の妨げになる恐れがあります。大阪への延伸ばかりが述べられていますが、名古屋への延伸策というのは愚策でしょうか。
自治体の問題として、滋賀県と福井県が「小浜ルート」の早期整備を求めています。2024年7月に実施された総選挙でも、賛成・反対の意見が二分されています。また、国の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームは、「小浜ルート」を前提として議論を進めるということを確認した(2024.6.18)とされています。これらの考察から、滋賀県が「米原ルート」ではなく、「小浜ルート」を推奨するのはやむを得ないことなのでしょう。いずれにしろ、既得利権誘導のための公益事業ではなく、多くの国民が幸せになるルートを決定してもらいたいものです。
旅悠遊-石川加賀
歩ッ歩ッ歩:山もゆる、一歩一歩の山あるき