私たちの日常生活において意外なところで使われている消石灰
資源がない国といわれている中で、自給率100%というのも驚きです
古代からその製法が今に伝えられていることからしても
身近に原料とする石灰岩や貝殻があったからなのでしょう

建築資材として、豆腐やコンニャクの凝固剤、中和剤、などなど・・・・
魔法の白い粉:石灰は、安価で多量に手に入ります
特に酸性土壌が多いわが国にとっては、重要な土壌改良剤です
ただ、消石灰は強アルカリ性のため農業肥料には苦土炭カルを使用するのが良いとされる


苦土炭カル(苦土石灰)
ドロマイトまたはドロマイト質石灰を焙焼して製造
水溶性マグネシウム3.5%以上とアルカリ分を53%以上を含む肥料


消石灰は鳥インフルエンザのウイルスを死滅させ
野鳥の糞がついた小動物を遠ざける効果があるとされています
南九州の鳥インフルエンザの発生は「渡り鳥が原因」とのことで
防ぐのがすこぶる困難な状況になっているようです
ここへ火山の爆発が追い討ちを掛けているようです

この火山がもしも石灰岩であれば、天の恵み・・・・
消石灰で消毒が天然にできるのでは、と思ったのですが
残念ながら火山灰は、アルカリ性ではなく酸性だったようです

せっかく散布した消石灰の上に火山灰、酸性化に逆戻り
また、消毒散布をしなければなりません、当事者のご苦労を思うと・・・・


この世で起ったことはこの世でなんとかなる(収まる)・・・・、とよく言われます
火山噴火のような天変地異は人知の及ばないのところの問題なので
この言葉があてはまるかは論の他ですが、人間が係わる諸問題の問題解決は可能です
もしできないとすれば
「執着心」、「欲」、がその人をして包み込んでいるからに他なりません
・・・・、との説です

しかし、これはあくまでも自己犠牲の上に立ってのこと
他力本願のきらいが大でもあります、問題(原因)となるもの(人)頼りです
降りかかってくる火の粉が災いとなっているのです
独裁政治しかり、はげたかしかり、身近では、誹謗・中傷、いじめしかり・・・・

人間は欲の塊です
諸問題はほとんど「欲」から発生し、「執着心」によって解決を難しくしていると思います
「執着心を捨てる」、「欲を捨てる」、「自分を捨てる」ことにすべての人間が目覚めれば
解決の糸口はかならず見つかり、開けるはず・・・・と、いいたいものの
「消石灰」のような魔法の薬が見つかることを期待するしかないのかもしれません


ところが大自然が相手となるとそうはまいりません
CO2による温暖化やヒートアイランド、乱開発による環境破壊はなどは
人間の社会生活の営みが原因の一つであるため解決の方策は考えられるのですが
地震や火山活動、異常気象などは、人の営みが少なからず係わりがあるとはいえ
現在の科学や人知の及ばないところの現象です
「魔法の石灰」のような特効薬はありません
だからこそ大自然に対し辞を低くして接し、、畏敬の念を覚えるのではないでしょうか

古代の人々が知りえた「石灰」の効能や作用が
数千年を経た現在でも、特効薬の一つとして活用されています
私たちは多くの問題を抱え、社会生活を営んでいます
問題解決の方法を生み出し、また新たな問題を生み出していきます
それがこの世であり、人の世の有り様なのですから・・・・、人々の苦悩は繰り返し続く・・・・


※本文の作成にはwikipedia、広辞苑、建築大辞典(彰国社)、建築材料データブック(オーム社)から出典
2010年3月に、宮崎県下で家畜伝染病の口蹄疫が発生しました
2011年1月には、広範囲で鳥インフルエンザが発生しました
ともに、感染拡大すると大問題となるため、感染駆除作業が徹底的に行われています
ニュースの中で、その駆除、防疫のために「消石灰」なるものがつかわれています
消毒薬としては特効薬のようなものだそうです

知っているようで知らない言葉は、たくさんあるもので
プライドが邪魔して、いまさら人に聞けないものでもあります
「消石灰」もそのひとつで、今話題になっている「石灰」に焦点をあててみました


「石灰」とつくことばに、「石灰岩」、「生石灰」、「消石灰」などがあります
まず基となるのが「石灰岩」

石灰岩(せっかいがん)、石灰石に同じ
炭酸カルシウム、CaCO3
堆積岩の一、動物の殻や骨格などが水底に積もって生ずる
主に、方解石から成り、混在する鉱物の種類によって各種の色を呈す
石灰岩として石灰鉱山より産出する
岩石からは、サンゴや三葉虫、アンモナイトなどの化石が多く発見される
滋賀県では、伊吹山や、鈴鹿山脈の藤原岳以北に多く産出する

石灰(せっかい、いしばい)
生石灰の通称。広義には消石灰、石灰石を含む。

生石灰(せいせっかい、「きせっかい」、「なませっかい」ともいわれる)
酸化カルシウム、CaO
石灰岩を加熱し、二酸化炭素を放出させる熱分解により製造、CaCO3→CaO+CO2
この製法は先史時代から知られている
鉱物資源としては珍しく、現在の日本での自給率は100%
セメントや漆喰の原材料、製鉄業における不純物除去材
農業における肥料、乾燥剤や殺虫剤
水を加えると発熱する性質があるため缶入りの清酒や弁当を温めるのに使われたりする
消石灰の生産原料
強い化学物質で、皮膚に付着すると化学ヤケドやタダレを起こすので注意を要する

消石灰(しょうせっかい、「けしせっかい」とも呼ばれる)
水酸化カルシウム、Ca(OH)2
酸化カルシウム(生石灰)に加水すると生成する、CaO+H2O→Ca(OH)2
酸性化した土壌や河川の中和剤、コンニャクの凝固剤、殺菌剤
グラウンドの白線(現在は失明の恐れがあるため生石灰に変更することが推奨)
消石灰は病原菌を殺す強アルカリで手荒れを起こす

日本国内の養鶏場で鳥インフルエンザが発生した場合、発生した農場の敷地に
白い粉が大量にまかれているのをニュース映像などで目にすることがあります
この白い粉は「消石灰」(しょうせっかい)です
国が定めた「家畜伝染病予防法」という法律の施行規則で
鳥インフルエンザが発生した場合の対処の仕方が定められています
この中に「消石灰による消毒」について規定されているのです
消毒効果があり、水害などによる土壌汚
染や細菌感染の防疫、消毒用としても用いられる
霊山山三角点のカレンフェルト、撮影日:2010.04.18
イワスの石灰岩鉱山跡、撮影日:2003.09.01
御池岳ボタンブチのカレンフェルト、撮影日:2003.08.13
山行に見る 白き石群
茶野の石灰岩露出、撮影日:2008.05.04
鈴ヶ岳
 ↓
伊吹山山頂の石灰岩露出、撮影日:2004.08.21
東武奈山のカレンフェルト、撮影日:2008.04.16
天狗堂
  ↓
サンヤリ
  ↓
三国岳
 ↓
御池岳
 ↓
烏帽子岳
  ↓
谷 山
 ↓
鍋尻山山頂のカレンフェルト、撮影日:2010.05.01
伊吹山
 ↓
みたいな
一緒にいってみたいなこんなとこ
今日のことば
1101版:平成23年02月14日 月曜日
魔法の石灰
消石灰の原料である石灰は
わが国での自給率は100%です
資源貧国において
数少ない原料の一つです
そこから私たちの生活に必要な
多くのものが考え出されています
セメントしかり、中和剤しかり
豆腐やコンニャクの凝固剤しかりです
まさに「魔法の石灰」です
山野に出かけますと
石灰岩が露出する
カレンフェルトがみられ
鍾乳洞が私たちを楽しませてくれます
今回の主人公の「石灰」にことよせ
山上の「白き石群」をアルバムから
拾い出してみました
山呼-リスト
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
山呼らいぶらり〜