【 日々新又日新(ひびにあらたにして、またひにあらたなり) 】 出典:大学
日をおって絶えず進歩すること
日々新たに気を入れ替え、新たな気持ちで事に望むことと捉える
また、時々刻々と絶えず流れる時間と意識の流動をいい
それに翻弄されることなく、随時随所に主体性を発揮することをいう (淡交社:禅語大辞典)
「一年の計は元旦にあり」
私たちは、新年を迎え、期待と反省のなかでこのようにつぶやきます
前年にも同じような気持ちで新年をスタートしたのですが
自分の計画どおりにいかなかったときは、「今年こそは・・・・」と、気持ちを入れ替えます
希望がそれなりにかなったときは、「更なる向上を・・・・」と、心を新たにいたします
それが区切りのいい、年の初め:新年だからなのでしょうか
広辞苑によりますと
「一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり」の注釈の中で
『その日の計画は朝のうちに、その年の計画は元旦に立てよ』
すなわち、計画はなるべく早めにしっかりと立てるべきだという戒め、とあります
とはいいながら、計画通りにいかないのが世の常・人の常でもあります
「三日坊主」で終わるうちはまだしも
「計画すなわち予定であり、予定は未定と同じ」と、うそぶいたり
風呂屋の桶・うどん屋の釜:湯ばかり→転じて:言うばかり・・・・
などと自嘲気味に反省をしてしまいます
このように、比喩やことわざなどがあるというのも
多くの人が、この計画や目標を立てる重要性を認識しながらも
目標(計画)通りに事を進めることの難しさを、感じているのだと思われます
「天は、二物を与えず・・・・というが不公平だ」などと、愚痴をいい
己の意思の薄弱さや、能力の不甲斐なさを棚に上げ、言い訳をし
更には、「運」のせいにも仕立て上げてしまいます
目標や計画があるからこそ
自己の主体性が必要なことを意識し、ことに取り組むことが出来るというものですが
人とは、本来怠け癖があるのかもしれません
すべきことをする、労を惜しまない
解っているのですが、年の終わりにその成果が現れ、そして、反省・・・・となります
しかし、反省だけでは進歩はありません、「言うは易く、行なうは難し」で
己にはついつい甘くなり、進歩するためのその一歩が、なかなか前に出せません
自分で踏み出すことが重要なのですが、その勇気がなく人の助けを必要とするときもあります
また、本人が気づかないので、周りの人が無理やり押し出すこともあります
『時』は人を待たない、だから遅れながらも『時』に付いて行く
たまには後戻りしたっていい、遠回りしたっていい
今年こそ、今年こそ・・・・
心も新た、日も新た
小さな目標でいい、小さな成果でいい
一歩一歩の積み重ねが大切なのでしょう、「千里の道も一歩から」
山の頂を目指すごとくに・・・・
余談
御来光(高山で望む荘厳な日の出の景観をうやまっていう語)、日の出(朝日が東の空に昇り出ること、また、その時。天文学的には、太陽の上縁が東の地平線にくる瞬間)は、山行における景観の一つです。それに加え、達成感や満足感を倍化させてくれます。逆に言えば、ご来光を迎えるために山に行く、といっても過言ではありません。大きな山や懐の深い山では、山行に要する時間が長くかかり、山中で宿泊することを余儀なくされ、必然的に新しい一日を迎えることになり、日の出の瞬間に臨むことになります。しかし、気象条件の良いときばかりではありません。その機会の多くが、ガスなどで視界が妨げられ、残念な思いをいたします。それゆえに、東の空がしらみ、赤く染まりながら一条の光をまぶたに捉えることができたときは、充足感に満たされ、自分の存在を確かめ、生かされていることへの感謝の気持ちに包まれます。新たな活力がみなぎり、新たな一日の始まりに、さらなる一歩を踏み出すことができるのでしょう・・・・
伊吹山 ご来光
山行日:2005.08.09、(晴)
所在地:滋賀県米原市
山葵の地元
花の山でもある伊吹山は
独立峰で、低山ながら
全方向の眺望が可能です
八合目までは
ドライブウェーが延び
気軽に山頂までこられます
辛草は登山口からでした
低山なるが故に
天候に左右され
満足なご来光を
望むのが至難です
山呼ぶらいぶらり〜
601版:平成18年01月17日 火曜日
日々新又日新
甲斐駒ケ岳 日の出
山行日:2005.10.14、(晴)
所在地:山梨県南アルプス市
北沢峠を夜明け前に発ち
双児山直下の登山道で
日の出を迎えました
森林限界はもう少し上で
樹木の間からのご来光です
このときの予定では
日の出直後に登山口を発つ
予定だったのですが
山荘での朝食は出ないので
夜間登山に変更
急坂に苦戦をしたため
中腹でのご来光に・・・・
北岳 ご来光
山行日:2001.08.17、(晴)
所在地:山梨県南アルプス市
北岳山荘から見る日の出です
日の出の30分前から
寒さに震えながら東の空の
三日月と星を眺めていると
その下にある富士山が
浮かび上がってきました
ロマンティックなひと時です
直後、一条の光が・・・・
ご来光です
心洗われ、ときめく一瞬です
新しい一日の始まりです
山行に見る 新たな一日
一緒にいってみたいなこんなとこ
山葵の山行まっぷ
印の県に「目的地」があります
県名
※ご参考までに
このコラムは
山葵のひとり言です
黒や灰色の文字は
山葵のオリジナル
カラー文字は
山葵所蔵の
資料からの引用です
今日のことば
蝶ヶ岳 日の出
山行日:2003.07.28、(曇/晴)
所在地:長野県安曇野市
一の沢から常念岳に登り
蝶ヶ岳ヒュッテで宿泊
前日よりガスに覆われた
縦走路でした
雲が支配する中
日の出時刻の一瞬
雲海の上に太陽が現れました
でもこの直後
天空は再び雲の支配下に
槍・穂高連峰の大パノラマを
楽しみにしていたのですが
ほとんど見えませんでした
長野
山梨
滋賀
山の魅力の一つに
「日の出:ご来光」があります
遮るもののない山頂から
太陽が昇り、一日が始まります
決まりきった自然の摂理に
何の疑念もはさむ余地はありません
今日も当たり前のことが
当たり前に始まる
それがすごく崇高に思え
厳かな気持ちになる一瞬です
前日から
苦労して辿り着いた山頂です
自分の気持ちは
とても素直になっています
今日もなすべきことを成そう・・・・
山はいい
孤独を深めるにはとてもいい
一人ではないことが解るから・・・・
今回は、一年の初めのコラムです
山での「日の出」、すなわち
『新たな一日』の始まりを見つめました
彦根東部山麓 夜明け前
山行日:2005.09.30、(晴)
所在地:滋賀県彦根市
05:00
荒島岳に出かける始途
東の空に後の三日月が
浮かんでいました(月齢27)
男鬼山/向山の稜線は
明るく浮かび上がり
山頂では
朝焼けが始まっているのが
見られる頃でしょう
これから行く
荒島岳の空模様に
期待がはしります