最近、「のんびリズム」とか「ゆっくリズム」いう言葉が歩きだしています
忙しさや、目まぐるしく転換する社会の動きにあわしていかず、背伸びをしないで
自分らしく、生活しようというものだと思いますが
(らしく:この言葉がどういう意味か、はずかしながら私は自覚できていないのですが・・・・)
理屈はともあれ、私たちの人生において安らぎの場所の創出
すなわち、「腰掛」を作ろうというものではないでしょうか・・・・

【 腰掛(こしかけ)
  ・腰を掛ける台
  ・長くとどまる意志なく、一時的に身をおく地位や仕事
  ・江戸時代、城中や大名邸で供廻りの者の控え所
  ・茶道で、客の接待のため露地に設ける休憩所         ( 広辞苑 )


最近、話題になっている「天下り」
       (※天下り:官庁で退職後の幹部などを民間会社や団体などに受け入れさせること)
公務員が、これまでの技術や経験を生かし、新しい就職先を探す・・・・
それ自体は目くじらを立てることはないのですが
庶民感覚からかけはなれた待遇や報酬が問題視されています
業務の内容もほとんどが「腰掛」的といわれ、多くの方のひんしゅくを買っています
腐敗の温床にもなっているとの指摘もあり、とうとう逮捕者も出てしまいました(2005.08追記)
早くから「構造改革」が叫ばれているのですが、一向に改善されません、残念なことです
現在のように、女性が第一線で活躍できなかった頃
腰掛」という考え方で、女性の仕事に制約を課す職場がありました
仕事の内容を教えても、すぐに結婚退社をするから重要な仕事をまかせられない、とか
深夜残業をさせられないから、などとの理由付けをした時期がありました
意識改革が進み、女性の各方面における進出がなされています
職場をはじめ、各分野における女性の「腰掛」という言葉は死語になりつつあります
その活躍を特別視すること自体無意味なことですが
時折、人の意識の中に「腰掛」が話題になるときがあります
男女の比較をする時代ではありません、警鐘としなければ・・・・
とは言え、楽をしたい、誰よりもいい暮らしをしたい、権力・名誉が欲しい・・・・などと思うのは
世の常、人の常であります。そのために、人は人一倍努力をするのでしょう

時は遡って秀吉の時代、茶道は政治の道具に利用された一面もありました
時代を経て、現在では情操の面から、主に婦女子の間で広く楽しまれてきました
そこには「腰掛」という言葉が出てきます
お茶室に入る前の待合所的な施設で、「腰掛待合」とも言われます
時の移ろいの中に身を投じ、ご亭主の心のこもったおもてなしを受けるために心静かに待つ・・・・
また茶室には、刀掛けや誰もが頭を下げなければ入れない仕組みがしつらえてあります
言い換えれば、誰もが対等であり、お茶を立てる人と飲む人がいるだけ
季の花を愛で、一碗のお茶に安らぎを得る、その時空は天下りも腰掛職場も越えた存在です

臨済宗の祖:栄西が、宋からお茶の種を招来してから約850年、
「お茶」と聞いただけで
足のしびれを感じるものにとっては、窮屈さや緊張感で「のんびり」とはまいりませんが
伝統文化の中にも、「腰掛」の存在が見つけられ、身近に感じることができました
尾瀬の腰掛け (写真−下)
山行日:1999.09.09、(晴)
所在地:群馬県片品村
至仏山中腹
尾瀬ヶ原を見渡す
背後の山は燧ケ岳
長椅子に腰掛けているのは
ホモサピエンスの仲間たち・・・・
行市山のサルの腰掛け
山行日:03.09.16、(晴)
所在地:滋賀県余呉町
       (写真−上)
佐和山のサルの腰掛け
山行日:04.01.31、(晴・曇)
所在地:滋賀県彦根市
         (写真−右)
県名
印の県に「目的地」があります
山葵の山行まっぷ
滋賀
群馬
437版:平成16年12月16日 木曜日
猿の腰掛
「さるのこしかけ」というのは
担子菌類サルノコシカケ科に
属する木質のきのこ
樹幹に半円形またはイボ状で
棚状に生え、厚くて堅い
上面は褐色
同じ円状の紋を具え
下面は白色
木材を腐朽させる害菌
           (広辞苑)
「サルノコシカケ」という種は
ないということです
山行は自分の足だけが頼りです
タクシーもなければ電車もありません
一日の歩行時間は
だいたい6時間ぐらいが適当で
それ以上になると
宿泊したほうがいいとも言われます
それも歩きつづけると
足に負担がかかり
適度な休憩をすることにより
無理なく目的を達成できると思います
休憩するところは
景色のいい所、足場のいいところ
などが選ばれます
環境に配慮する必要がある所では
「腰掛」の設備などが設けられ
自然保護に一役買っています
今回は、山行で出合った腰掛のうち
「サルノコシカケ」に焦点をあて
編集してみました
八ツ尾山のサルの腰掛け
山行日:04.12.02、(晴)
所在地:滋賀県多賀町
箕作山のサルの腰掛け
山行日:04.04.07、(晴)
所在地:滋賀県八日市市
小谷山のサルの腰掛け
山行日:03.11.07、(晴)
所在地:滋賀県湖北町
山呼-リスト
今日のことば
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
のんびリズム
一緒にいってみたいなこんなとこ
山行に見る サルの腰掛け
みたいな
山呼らいぶらり〜