【 黙々行吾道 (もくもくと わがみちを ゆく) 】
         自分が自分の人生を歩むのに余計なおしゃべりはいらない
         ただ、黙々となすことをなすのみ              (禅語大辞典:淡交社)


パーティーを組んで山登りをしていますと、平坦な道では、いろんな内容で会話がはずみます
道が険しくなると、自然と口数が少なくなります
また、逆に、これまでうるさいほどに喋りまくっていた人が、静かになっていると
疲れたかな、と気にいたします
単独で山行をしていますと、調子が良いときは、鼻歌などが出てきますが
喋る相手がいませんから、当然のことながら
口をつぐんで、「喋る」ことなく、歩くことに専念しています、黙々と歩くことにもなります
状態としては、標題に似た状況下(山行を人生に例え)にあるかもしれません


標題の真意は別にして、お喋りは、複数の人がいるときに発生します
お喋りを聞きたくないのに、そばにいられると否応なく聞かされます
では、人はなぜ喋るのでしょうか
当然のことながら、言葉は、自分の意志を他人に伝える手段の一つとして存在します
なかには、迷惑なお喋りも存在します
コミュニケーションが必要だから、と口数多く、必要以上に喋る人
自分の意見を主張する為、他人の発言をさせないように喋る人
他人の話を横取りし、あたかも自分が話題を提供したかのように喋る人
あることないことを、自分で脚色して喋る人
喋りたくないのに、喋りを求めてくる人
語気を強め、言葉の圧力をかけてくる人、などなど、お喋りの目的は多種多様です


お喋りは、「よく−・る奴だ」とか、「うっかり−・ってしまった」、「誉め殺し」、「かしましい」など
印象に良くない表現で使われます
話し上手、聞き上手などのように、いい印象では使われないようです
別の意味ではありますが、420版で特集した「阿吽の呼吸」などは、お喋りを必要といたしません
究極は、「以心伝心」や「テレパシー」など、言葉そのものを必要としないものまであります

寡黙(言葉が少ないこと、ほとんど物を言わないこと)、とまでとは申しませんが
意志の伝達には、必要以上のことを喋ると
かえって話の主旨をつかむことができなくなる恐れがあります
これを裏返した言葉に、「舌足らず(
言葉の表現が不十分なこと)」があります
また、無駄話の中に、思わぬ好結果が産まれることがあります


いろんなことを喋ったから、いい人生が送れた
喋らなかったから自分の人生が台無しになった、ということもありません
他人のお喋り(言葉)に左右されずに、言葉のもつ意味をかみしめられればと思います
いずれにしろ、私たちが日常生活で使う「言葉」です、効果的に使いたいものです
大台ケ原 木道階段
山行日:2003.10.26(晴)
所在地:奈良県上北山村

大台ケ原の日の出岳から
正木嶺に至る斜面に
この階段はあります
あまりの観光客の多さに
土砂の流失を
懸念されたのでしょうか
数年前はありませんでした
私は都合4回訪れています
年を経るごとに破壊が
進んでいるように思います
剣山 木道桟橋・階段
山行日:2002.10.17(晴)
所在地:徳島県東祖谷山村

四国の秀峰「剣山」
その頂上は
名前に似ず穏やかな姿です
高木がほとんどなく
草を守る為
桟橋が設けられています
登山ルートが沢山あるようで
お見かけとおりのように
この画面だけでも3箇所も
尾瀬ヶ原 木道
山行日:1999.09.09(晴)
所在地:群馬県片品村

尾瀬には2つの
日本百名山があります
一つは木道の正面に
そびえる燧ケ岳
もう一つは
カメラの背後にある
至仏山です
頂上から降り
これから見晴しの小屋に
向かって黙々と歩くのです
県名
印の県に「目的地」があります
山葵の山行まっぷ
滋賀
長野
群馬
奈良
徳島
鹿児島
みたいな
421版:平成16年6月17日 木曜日
黙々行吾道
山行は楽な時ばかりではありません
険しい所、怖い所、難しい所
などなどがあります
また、行程上には
冷や汗をかく所も潜んでいます
一方
距離が長く、単調な所では
歩くこと、そのものが大変なことです
歩くことだけに専念し
ただ、黙々と歩くことになります
人の能力とはすごいもので
長い道程も、一歩一歩の積み重ねで
いつかは目的地に辿り着きます
山行とは、そんな気力をも生み出し
育ててくれます
今回は、「黙々」と歩く道を
ゴロ合わせで「木道」と解し
山行で出会った木(黙)道に
焦点を合わせます
一緒にいってみたいなこんなとこ
山行に見る 木(黙)道
車山湿原 木道                車山高原の車山肩から車山乗越に至る
山行日:2004.06.05(晴)            湿原にこの木道はあります
所在地:長野県諏訪市            左側が湿原で、保護の為の木道とロープ
                          との2重の自然保護措置のようです
山呼-リスト
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
武奈ヶ岳 八雲ヶ原湿原木道
山行日:2001.06.10(曇)
滋賀県志賀町

琵琶湖の西岸、比良山系の
武奈ヶ岳(標高:1214m)の
中腹、標高900m附近に
ミニ尾瀬のような
高層湿原があります
ご覧の通り
説明がなければ
尾瀬の東電小屋附近と
間違って表記しても
見過ごしてしまう方もあるかも
山呼らいぶらり〜
尾瀬ヶ原 木道
山行日:2001.09.19(晴)
所在地:群馬県片品村

山行好きな方でなくても
誰しもがあこがれる尾瀬
その代表的な風景です

至仏山に向かって延びる
木道です
頂上から降り
足跡を振り返った情景です
シーズンオフのためか
人影もまばらです
今日のことば
屋久島 黙道
山行日:2002.04.22(雨・曇)
所在地:鹿児島県屋久島

※いかれていない方のために解説いたします

レールが?
そうです、これは林業に携わる業務用の
トロッコの軌道です(現役です)
なんの為の板?
な〜んでか、それはネ
枕木の上を歩くのがつらいから
木の板(足場板)なんです
そして、新しく道を作ると環境破壊になるから

これからハイカーは、縄文杉に会う為に
この木道を黙々と(1時間余り)歩くことになります
まさに「黙道」です