【 額縁 (がくぶち) 】
 @、絵画などを入れて掲げるためのわく
 A、窓や出入口の周囲につける化粧木
 B、劇場の舞台の上下左右のくぎり            (広辞苑)


旅が好きな方は、色々な楽しみ方で、その醍醐味を味わわれます
    その土地の美味しい物を食したい
    その土地の文化や人情に触れてみたい
    その土地の自然や環境を楽しみたい
    などなど・・・・

そして、ほとんどの方がカメラを携行されています
海外旅行で、眼鏡をつけてカメラを持っていれば日本人、と言われた時代もありました
最近は、技術の進歩でデジタルカメラが簡単に使えるようになり
旅行に限らず、私たちの生活に欠かせないものの一つになっています

二十歳代の頃、一眼レフで神社仏閣を見学がてら撮影していたのですが
維持費が高く、重いので、いつしかホコリをかぶるようになりました
その後、仕事でレポートに何枚もの証明写真の添付が必要となり
写真処理の手軽さから、デジカメを手に入れ、早くも4年が経ち現在に至ります


肉眼で被写体を見ていますと、視覚はもとより聴覚や臭覚なども刺激され
記録にとどめたいと言う気持が湧いてきます、やおらカメラを取り出し、シャッターを切る
自分では、いい写真が取れたと、ほくそえんでパソコンで再現すると
どこかが違う、臨場感がないのです
ファインダーを覗き
カメラの中に描かれてある「」の中に、自分の想いを閉じ込めたはずなのに
いやに平面的なのです、所詮、オリジナルにはかないません
こんなことを実感された方も多いはず、それが表現できれば、プロになれるでしょう

1998年8月に、八ヶ岳に登った時のことでした
カメラを2台一組にして、写真を撮っている人と出会いました
前日、山荘で相部屋だったこともあり
尋ねてみると、立体写真を撮るのだといっていました
これも、カメラの性能に頼って、自分の技術のレベルアップを願うあらわれの一つでしょう
記念に、硫黄岳の山頂での証拠写真を撮ってもらいましたが、送っていただけませんでした
うまく取れていなかったのでしょう、証拠がないので証明できませんが


しかし、できの悪い写真でも、補正してくれる絶好のものがあります、「額縁」の登場です
いらざるものや、目立ちすぎているものをPCで加工することも可能なのですが、大変な労力です
額縁は、写真を引き締め、周りから独立したそのものの世界へ、見ている者を案内してくれます時には、いらざる物を隠してくれさえいたします
ただの「わく」なのに・・・・
右写真
大常院山門
全景
額縁「無動」
山行日:2003.11.16(晴)
所在地:滋賀県大津市

比叡山の無動寺谷にある
大常院の山門です
独特の雰囲気をもつ門に
ほとんどのハイカーが
立ち止まって
光の中を見て通ります
ここへは
車ではこられません
左写真
仙琳寺山門
全景
額縁「あたごさん」
山行日:2004.01.31(曇)
所在地:滋賀県彦根市

愛宕山信仰で知られている
仙琳寺の山門から
境内を覗きました
漆喰で塗り固められた壁と天井が時の流れをあらわしています
額縁「べんてんさん」
山行日:2004.01.31(曇)
所在地:滋賀県彦根市

大洞の弁財天で親しまれている
長寿院の山門です
ここから
彦根城が真正面に見えます
西南の方向にあり
彦根城の鬼門にあたる
位置にあることが
よくわかります
写真では明るすぎて
お城が見えないのが残念
額縁「じんぐうじ」
山行日:2002.10.31(晴)
所在地:福井県小浜市

  神さんと仏さんが
一緒においでになる
不思議なお寺です
神宮寺といって
若狭地方における古刹です
この境内にある
若狭井から
お水送りの神事がいとなまれ
その後、奈良の東大寺で
お水取りが行われます
額縁「戸隠」
山行日:2003.05.11(雨)
長野県戸隠村

  戸隠神社
奥社の参道です
杉並木が延々と続いています
この門を潜ると
心も神妙になるから
不思議です
県名
印の県に「目的地」があります
山葵の山行まっぷ
一緒にいってみたいなこんなとこ
山行に見る 山の展覧会
滋賀
福井
長野
みたいな
409版:平成16年2月26日 木曜日
山呼-リスト
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
今日のことば
額  縁
山呼らいぶらり〜
「額縁」
そんなものが山野にあるのでしょうか
一生懸命考えてみました
時々、自分の指で升目をつくり
風景を見ているシーンを見かけます
私もやってみました
違った風景が指の中に展開しています
自然と被写体から
欲しいものを浮き出す効果が
得られているように思います
「枠」は絵を引き締めます
それを飾るのが額縁です
そんな額縁を自然界には
なかなか見つけられず
代役を人工物に求めました
前回に引き続き
山野で繰り広げられる展覧会の
作品をご紹介します