【 枠にはまる 】
  一定の型通りであって、新味がない (広辞苑)


人間は創造の生き物だといわれます
知能が発達し、ものの善悪を判断し、感情を表現し、何よりも、知恵を働かすことができます
物事を思考する時に、創造性を働かせ、他人とは違ったものを、よりすぐれたものを
と、独自性を出せるように意識します
※このことについては、402版(2004.01.08)において、『VSOP』にて関連項目として記載

しかし、ここに思わぬ落とし穴が待ち構えています
ひとつのことにこだわりすぎて、思考パターンが同じだったりして
大局を見失い、わき道にそれてしまいます
道草や、寄り道は経験となり、それはそれで大切なことなのですが
物事の本質を見出せないことに陥ります
そして、掴んだものは、以前と少しも代わり映えのしない「もの」になりがちです
いわゆる「枠にはまってしまう」ことになります
よく言えば、「個性がでている」と言われはしますが
その実、「あなたらしい」と皮肉られているのかもしれません


私たちは、年を重ねると共に、いろんなことに経験を積み、学び、物事の多様性を知り
その人の性格・人格を形成してゆきます
その過程の中で、今まで、一重であった枠が二重になり、三重になってゆきます
これが、年輪であり、年の功なのでしょう
しかし、こと、芸術とか技術とかになると
こだわりを捨てきれず、泥沼でもがいている人も多いはず

私の友人の経験談なのですが
その道にかけては県下で、五指の中に入る技能の持ち主だったその人は
その作業の成果を、門外漢の若い技術者の卵がコンピュータを使って作った成果物と
同じテーブルに並べられ審査され、結果は、意外にも若者の作品が選ばれたと言う
作業はコンピュータがするのであって
経験がなくても、その若者はコンピュータの力を借りて
熟練技術者と同じ成果をあげてしまったのです

その友人は、時代の波に乗り遅れないようにと、奮起
プライドを捨て、コンピュータの操作を若者から教えてもらい
技術、技能に裏づけされた作品を作れるように、と頑張っているという

指先や五感で作られたものには、人の温かみや魂が込められている、ことは百も承知・・・・
その上で
長年積み重ねてきたやり方や、考え方を改めるのは、とても勇気のいることだと思います
他人事と思えず、「枠にはまる」ことなく、柔軟に考えられたら、と教えられました
※文字の運び屋:編集子からのお願い

このコーナーをはじめて、50回を数えました
無駄とは知りつつも、続けることに意味があるのですが、内容も大切です
自分の独りよがりだと言うものの、ご覧いただいている方がいらっしゃると思うと
前回とは
「変わったものを」、「違ったものを」、「誰もしていないものを」、と考えてしまいます
それも大変ですし、そんな才能も実力もありませんので
気負わないで
徒然なるままに(思ったままに)、文字を運ばせていただきたいと存じます
今後とも、ご指導の程よろしくお願いします

                                     2004.02.19 編集子
画廊「たんざん」にて
山行日:2002.11.13(曇)
所在地:奈良県桜井市

談山神社拝殿内から
境内を見わたすと
目の前に
錦秋が広がっていました
まさに
一幅の絵そのものです
画廊「なんぜん」
山行日:2002.11.21(曇)
所在地:京都市東山

南禅寺の山門を
額縁にみたててみました
この山門の楼閣上で
かの有名な
石川五右衛門が
「絶景かな、絶景かな」と
言ったとか
観光客が
引きもきりません
画廊「一休さん」
山行日:2002.11.19(晴)
所在地:京都府京田辺市

  とんちの一休さんでお馴染みの処です
石畳が遠近感を出しています
画廊「たかお」
山行日:2003.11.13
京都市右京区

  神護寺山門を額縁に見立てました
紅葉の名所もこの年は今ひとつ
県名
印の県に「目的地」があります
山葵の山行まっぷ
滋賀
京都
奈良
みたいな
408版:平成16年2月19日 木曜日
山呼-リスト
※ご参考までに
このコラムは
管理人のひとり言です
黒や灰色の文字は
編集子のオリジナル
カラー文字は編集子所蔵
資料からの引用です
今日のことば
一緒にいってみたいなこんなとこ
枠にはまる
画廊「西教」にて
山行日:2003.11.27(曇)
所在地:滋賀県大津市
 
西教寺山門を
額縁にみたててみました
紅葉のトンネルを
くぐってゆきます
明智光秀に
ゆかりのある寺としても
知られています
「枠にはまる」
そんなものが存在するのでしょうか
一生懸命考えてみました
しきたりや作法の手順
などもそうなのでしょう
そんなものが山野にあるのでしょうか
またまた
一生懸命考えてみました
そして探し出しました
浦島太郎ではありませんが
多くの方が感激のあまり使う言葉
「絵にも描けない美しさ」と表現される
世界が山野にはあります
それを収める「枠」を
探せばいいのです
「枠」は絵を引き締めます
それを飾るのが画廊です
今回と、次回の2回にわけてお届けします、まずは1回目です
山行に見る やまは画廊
山呼らいぶらり〜