今日のことば
いってみたいなこんなとこ;山行や旅行
みたいな
332版:平成15年10月28日 火曜日
柿食えば
 鐘が鳴るなり 法隆寺
        (正岡子規)
近畿地方
特に、京都・奈良・滋賀県は
文化財が多いことで知られています
人が歩けばお寺や神社にあたる
といわれるほど
多くの社寺が存在します
伽藍建造物の中でも
塔は、見る人を引き付けます
塔を見上げ、流れる雲を見て
首が痛くなったことも度々・・・・

野山を歩いていると
甍や木間越しに
塔の先端が見えると
心が安らぐのを覚えます
今回は、前回の神様に続き
山行で出会った
お寺の塔の一部を紹介します
県名
印の県に「目的地」があります
塔のある景色
平成15年10月21日、NHK総合TVの「そのとき歴史は」を見ていましたら
「 柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺 」の文字が画面で踊っていました
紅葉が近づくと霜が降り、霜が降ると「ふゆ柿」がおいしくなります
この時期になると、上記の句が条件反射のように思い起されます
法隆寺は、小学校のバス旅行で訪問以来、何度か訪れていますが
歩きつかれて足が棒になったことが思い出されます
後年、古寺探訪するようになり
編集子のメモに、法隆寺に関するくだりがありましたので
新たに hp用に編集し直して掲載させていただきます
もちろん、皆さんご存知の内容ですので、興味のある方のみお進みください


法隆寺
飛鳥の斑鳩の里に静かに佇む
創建は、6世紀の昔に遡る
用明天皇(第31代天皇、在位 585〜587年)は
病が治ることを願って仏像を祀り、寺を建てようとした
しかし、果たせずに崩じ、推古天皇と聖徳太子が遺志を受けて造営した
これが法隆寺です
創建(607)の法隆寺は、天智9年(670)に火災に逢う
その後再建(670〜711再建)されたのが現在の建物で
現存する世界最古の木造伽藍:建築物(西院伽藍の一劃)です
日本の至宝(国宝)であると共に、世界文化遺産(法隆寺地域の仏教建造物)になっている

回廊の中は聖域
法隆寺は、飛鳥様式と呼ばれる種々の特色がある
飛鳥様式を伝えるのは
金堂・五重塔、それを囲む回廊、回廊に開く中門である
すなわち、回廊の外は人間たちの俗な世界、内側は仏の世界と言われる
      金堂は、仏像を安置する建物
      五重塔は、仏舎利を祀る建物

塔は、梵語のストゥーバ、すなわち卒塔婆(そとば)あるいは塔婆に由来する
釈迦の遺骨を祀るために土石を椀形に盛り、上部に傘状のものを設けた
その傘状の形態が発達して塔になったとされる

寺のシンボル
遠方からも寺の所在を示し、近づくとその高さゆえ、回廊外からも仰ぎ見ることができる
まさに寺のシンボルそのものです
そう見寺 三重塔(重要文化財)
山行日:2001.04.13
所在地:滋賀県安土町
安土の城山にあり、信長ゆかりの寺です
横蔵寺 三重塔
山行日:2003.05.03
所在地:岐阜県谷汲村
即身仏と紅葉の名所で知られています
談山神社 十三重塔(重要文化財)
山行日:2002.11.13
所在地:奈良県桜井市
けまりと紅葉の名所として知られている
明通寺 三重塔(国宝)
山行日:2001.11.11
所在地:福井県小浜市
若狭はお寺の多い所です
山葵の山行まっぷ
福井
滋賀
岐阜
奈良
塔の役割
仏舎利を祀るゆえ、伽藍の中心的役割を持っていた塔は、時代を経ると
仏像を祀る金堂が重視されるようになり、次第に装飾的な役割をもつにすぎなくなる
薬師寺(718遷造)、東大寺(745〜)など、東西2基の塔をもつ寺の出現は
塔の役割の変化を示すものです

仏教の興隆
『 ほっとけ ほっとけ ごみやさん(538年) 』 という言い回しで
歴史の年代を覚えられたかたも多いことだと思います

6世紀中頃伝来した仏教は、国家の保護を得て広まり
敏達天皇6年(577)に寺院建設の技術も伝わって、寺院が次々に建立されていきました
記録に残る最初の寺院は、飛鳥寺(588年造営開始、596年塔が完成)で
塔を中心とし、三つの金堂が塔を囲み、回廊が周囲をめぐるものであった
すなわち、塔がもっとも重要な建物であったことを示しています
以降、四天王寺、高麗寺、斑鳩寺、中宮寺、川原寺、本薬師寺、そして法隆寺へと変遷してゆきます


この時代を大きくまとめると次のようになるのでしょうか
わたしは、お寺めぐりを時々しています
遥かかなたの甍越しに、相輪が見えると懐かしく思えます
そして、塔の屋根が見えると「五重塔」だと叫んでいます
近くに行くと以外や「三重塔」だったりして、苦笑してしまいます
「塔」といえば、「五重塔」とでも言うくらいに頭の中が洗脳されています
皆さんは、そんな思いはされませんでしょうか

実際の塔の数は数えてはいませんが
重要文化財(木造について)に限ってみますと

 五重塔:22其(内小塔:3其)
 三重塔:51其   多宝塔:31其   その他: 8其    を数えます


このように、三重の塔が一番多いのですが、五重塔へ気持ちが向かうのは
人の心の中には、潜在的に晴れやかな高さの高いものへの憧れがあるのでしょうか・・・・


        本文編集に当たっては、次の書籍・文献を参考にしました
           
国宝(毎日新聞社)、重要文化財(毎日新聞社)、古寺巡礼(淡交社)、日本の古寺(小学館)
           建築史(理工図書)、日本建築のかたち(彰国社)、建築大辞典(彰国社)
清滝寺 三重塔
山行日:2002.11.17
所在地:滋賀県山東町
境内には京極家墓所もあり、隠れた紅葉の名所でもある
金剛輪寺 三重塔
山行日:2001.11.21
所在地:滋賀県秦荘町
湖東三山の中の寺、紅葉の名所
関東地方からもツアー客がある
山呼-リスト
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山呼らいぶらり〜