山聲:手水舎紀行
社寺探訪で出合った手水舎・吐水口の表情
手水舎(ちょうずや・ちょうずしゃ・てみずや・てみずしゃ)は、参拝者が「身を浄める※」ために手水を使う施設のこと。水盤舎(すいばんしゃ)とも呼ばれます。手水舎は、神社、寺院の参道脇または社殿脇に置かれ、参詣者が手や口を漱ぎ清めます。多くの手水舎は、四方転びの柱が用いられ、四方吹き放しとなっており、その中に水盤が据え付けられ、柄杓が置かれており、それを使用します。柄杓にすくった一杯分の手水(ちょうず)を使い、一連の所作を行い、聖域に入ります。
手水の起源は、神道に由来し、聖域を訪れる際に周辺に流れる河川の水や湧き水で身を清めていたことにはじまります。その名残は、伊勢神宮の御手洗場などで見られます。時代が変化するにつれ、河川の水質が汚染され、清流や湧き水の確保が困難になったことから、それに代わる施設として手水舎が併設されるようになっていったともいわれます。 (Wikipedia)
※「身を浄める」:罪穢(ざいえ:つみけがれ)を祓う禊(みそぎ)の簡略化と考えられます。
手水舎にある水盤に、水を送る役目として龍頭などが置かれ、その口から水が流れ出ます。この龍のことを「吐水龍」と呼ばれます。龍(青龍)のほかにも、亀(玄武)、虎(白虎)、鳳凰(朱雀)といった「四神」や、鹿、牛、蛙・・・などの神獣の場合もあり、「吐水口」
と総称します。
龍は、水を司る神様と考えられています。その口から吐き出される水は、すなわち神様・仏様の水です。「吐水口」は、龍の他、形や表情、素材などが社寺ごとに工夫が凝らされ、興味深いものとなっています。
これまでの社寺探訪で見かけた「手水舎」・「吐水口」に焦点をあてて紹介させていただきます。