ばいどうざんがんしょういん ルート 梅洞山岩松院(11:30/12:30)
梅洞山岩松院
地  域 20n:中野西部/南東N 概要 岩松院は、宗派:曹洞宗、山号:梅洞山、本尊:釈迦如来、創建年:文明4年(1472)、開基:荻野備後守常倫、開山:不琢玄珪禅師。葛飾北斎の「八方睨み鳳凰図」があり、小林一茶ゆかりの寺。元和5年(1619)、広島城無断改築を理由に信濃国井野藩に改易された福島正則の菩提寺で、境内には霊廟があります。寺にのぼる参道脇には、桜並木があり、参道の中ほどに仁王門があります。仁王門の奥の高台には、鐘楼や本堂、庫裏などがあり、墓地の上には福島正則の霊廟があります。岩松院の背後、北東の尾根筋(支峰)には、雁田城の遺構があり、その山城の麓の砦跡に岩松院がある配置です。境内の庭園や墓地は、背景の山林と溶け合っています。石垣の上に建物が集まる境内を見上げると、城郭を眺めているような錯覚を覚えます。本堂内は撮影禁止ですが、「鳳凰図」の真下で寺院からの説明を聞かせていただけます。
Mapion 長野県小布施町雁田
標  高 360m/350m=10m
距  離
体力度 ―、Θ
山行日 2023.06.07、(晴)
形  態 前泊、3名
時  間 所要01:00/歩行00:20
アクセス 自家用車、04:30
備  考 特に問題なし
拝観パンフレット-4/4、写真クリックで拡大
蛙合戦の池
蛙合戦の池・コウホネ
蛙合戦の池・コウホネ
蛙合戦の池
蛙合戦の池
福島正則公霊廟右正面見上げ
福島正則公霊廟正面遠景
本堂正面
墓地門額縁
墓地門(棟門)
墓地への参道
墓地への参道
座禅堂
庫裏
本堂右正面
香炉
山門左正面中景、写真をクリックで山門詳細表示
参道
福島正則は、元亀天正年間の戦国武将。豊臣秀吉の重臣として賤ケ岳の戦いでは「七本槍の第一」と称されました。また関ケ原の合戦でも勇名をはせ、広島城(49万8千石)の大大名になりましたが、幕府の謀略により元和5年(1619)秋、この信越地方(4万5千石)に国替えさせられました。 正則の菩提寺は「京都 臨済宗大本山妙心寺・塔頭海福院」ですが、国替え・移封のため、当地にも菩提寺を求めました。信濃高井野藩は現在の長野県須坂市、高山村、小布施町、中野市、山ノ内町にまたがる約2万石の領地です。霊廟には遺骨を埋葬し、「海福寺殿前三品相公月翁正印大居士」の戒名を刻んでいます。遺品の一部が本堂内に展示されています。
「八方睨み大鳳凰図」が描かれている本堂は21畳、その天井を見上げると、一面に翼を広げた鳳凰が見下ろしています。完成は嘉永元年(1848)、北斎は89歳の時の作品で1年をかけて作成されました。現存する中で最大規模の作品です。「八方睨み」という謂れは、鳳凰の目が見る人が、どこから見てもこちらを睨んで追ってくるような画法で描かれていることからきています。間口6.3m、奥行5.5mの大画面を12分割し、床に並べて彩絵した後、クギを使わない技法で天井に取り付けています。朱、鉛丹、石黄、岩緑青、花紺青、べろ藍、藍などの顔料を膠水(にかわすい)で溶いた絵具で彩色され、周囲は胡粉、下地に白土を塗り重ね金箔の砂子が蒔かれています。画面には絵皿の跡など制作時の痕跡が残っています。極彩色の鳳凰は、絵の具代150両、金箔4,400枚を用いて表現されており、塗り替え等の修復をされることなく今日に伝えられています。富士山が好きで知られる北斎ですが、この鳳凰図にも隠し絵の富士が描かれているそうですが、その場所は・・・・。
拝観パンフレット-3/4、写真クリックで拡大
拝観パンフレット-2/4、写真クリックで拡大
拝観パンフレット-1/4、写真クリックで拡大
蛙合戦の池・コウホネ
蛙合戦の池
本堂裏にある一茶句碑 『 痩せかへる まけるな一茶 是に有 』
霊廟から墓地参道(見返り)
庫裏入口扁額『福聚無量』
本堂右正面
蛙合戦の庭(本堂書院から)
蛙合戦の庭(本堂書院から)
本堂扁額『梅洞山』
本堂前焼香場
入口「八方睨鳳凰図」看板、写真クリックで拡大
階段参道
山門より本堂遠景
『やせ蛙 負けるな一茶 是にあり』、俳人: 小林一茶が虚弱に生まれた我が子、千太郎を想って詠んだ有名な句です。また、52歳まで結婚できなかった自らの不遇をやせガエルに重ねていたとも言われています。小林一茶は宝暦13年(1763)、信濃北部の北国街道柏原宿の農家に生まれました。春の花見が終わる頃になると、裏庭の小さな池に大人の手のひら大のアズマヒキガエルがいずこともなく集って来ます。メスの産卵をオスが手伝うためですが、メスが少ないために奪い合いとなって合戦となります。この岩松院の「蛙合戦の池」で生まれた蛙たちは、3年から5年でまたこの池に産卵に下りてきます。そのため「必ずかえる」福蛙とも呼ばれています。
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